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ハーランズ・レース
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ハーランズ・レース

パトリシア・ネルウォーレン(著者), 北丸雄二(訳者)

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ハーランズ・レース

定価 ¥1,991

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 扶桑社/
発売年月日 1997/05/30
JAN 9784594022570

ハーランズ・レース

¥550

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2026/03/13
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この作品は1976年から1990年までを描いており、時間のうつろいを強く感じた。 タイトルの通り、ビリー亡き後のハーランがどのように人生を走り続けるかを描いている。 ただし自分が想像していたハーランの新しい人生についてではなく、ビリーの殺害事件の余波が深く、そしてビリーの思い出、存在が色濃く描かれている。 中盤までビリーを殺した犯人の片割れからの脅迫、その恐怖の中で生きる時間が続き、物語はかなりサスペンス調で、読んでいてしんどさを感じた。 また物語の背景には、当時のゲイコミュニティが置かれていた状況も描かれている。 右翼団体による攻撃や、Harvey Milkの殺害、そして広がり始めたHIVの脅威。個人の人生だけでなく、時代の不穏さが常に影を落としている。 ビリーの不在を埋めるように、ハーランの傍にはヴィンスがいた。彼は先が読めない、落ち着きのない青年。何かやらかすのではないか、危険なことに巻き込まれるのではないかという描き方をしていて不安な気持ちにさせた。放っておけない人物だった。強そうに見えるが実は脆い青年であり、ビリーとは違う形でハーランを愛していた。作中でハーランは、ビリーを「善」「純粋」、ヴィンスを「悪」として見ている。The Front Runnerで描かれたビリーとの恋は理想の恋であり、Harlan's Raceで描かれるヴィンスとの恋は、傷や不安、罵り合いや喧嘩を抱えた現実の恋だった。それでも、どちらの恋も好きだと思えた。 気になったことはハーランとビリーの息子。二人が遠ざけられてしまったことが残念だった。ベッツーの母親としての気持ちは理解できるが、その子はハーランの息子でもあるはずだから。 ビリーの死の意味についても、胸が痛む。ビリーはハーランの近くにいたから殺された。そこにはゲイへの憎悪だけでなく、個人的な嫉妬もあった。犯人クリスはハーランに惹かれていた。だからこそビリーが標的になった。その理不尽さに対して強い怒りを感じた。「ビリーの死はなんだったのか」という悔しさが残る。 また、The Front Runner に登場した人物たちのその後も描かれている。すべてではないが、彼らの多くが厳しい運命をたどっており、その行く末の多くが暗いものであったことも悲しく感じた。 かつてビリーとハーランの周囲にあった若さや希望が、時の流れとともに失われていくようにも見える。その意味でも、この物語は一人の人生だけでなく、ひとつの時代が過ぎていくことを描いているように思えた。 その中で印象的だったのは、ハーランと息子マイクルとの関係である。 母親によって引き裂かれていた父と息子の絆が、最終的にはマイクル自身の意思によって再び結び直されていく。マイクルが自らハーランとの関係を取り戻そうとする姿は、この物語の中で数少ない希望のように感じられた。

Posted by ブクログ

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