日本語の作文技術 本多勝一集19

本多勝一(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞社
• 発売年月日: 1996/02/05
• JAN: 9784022567697

商品レビュー

2021/03/09

　突然ですが、今まであなたが書いてきた文章は、読み手がストレスなく読めるものですか？
　もしこの質問に自信をもって「はい。」と答えることが出来なければ、ぜひ読んでいただきたい書籍があります。それが、今回紹介する「日本語の作文技術」です。
　本書籍の目的は「読む側にとって分かりやすい文章を書くこと」、ただそれだけです。このように目的は大変シンプルですが、日本語を使って分かりやすい文章を書くための実用的な方策が書籍内に多数収録されており、この書籍から得られるものはおそらく一生役に立つと思います。
　読む側にとって分かりやすい文章を書く方策の具体例として、句読点の打つ場所や助詞の使い方などが挙げられます。おそらく、多くの日本人はこういった作文技術を義務教育で習っていないでしょう（もちろん習った方もいらっしゃるかもしれませんが）。ですので、我々は普段句読点や助詞の使い方を「なんとなく」選んでいると思います。実際、日常生活の多くの場面ではこの「なんとなく」で乗り切れることが多いと思います。しかしながら、文章が「ちゃんとした」ものになればなるほど、この「なんとなく」は通用しなくなります。「なんとなく」を脱して「ちゃんとした」文章を書くためには、乗り越えなければいけない壁があり、それが作文技術の有無だと私は思います。そして、この技術を習得する最良の方法が、この書籍の内容を実践することなのです。
　実体験を紹介します。私は現在修士課程の1年生であり、昨年度は卒業論文を執筆しました。初稿と書き終えた当初は「うまくかけている」と個人的に思っていましたが、いざ論文を学友に読んでもらうと、自分の意図していることが正確に伝わっていませんでした。そこでこの書籍を読み、書いてあることを自分なりに卒業論文に応用したところ、見違えるほど「ちゃんとした」文章にすることが出来ました。このとき、私は作文技術という壁を乗り越えることが出来たと実感しました。
　上では句読点や助詞の使い方を例に挙げましたが、本書籍では「修飾語の順序」、「漢字と仮名の使い分け」、「リズムと文体」など、読みやすい文章を書く上で必要な技術がしっかりと解説されています。この本には続編もあります。もし作文の壁を乗り越えたい方がいらっしゃいましたら、ぜひお読みください。あなたの文章技術に革命がおこること間違いなしです。
（ラーニング・アドバイザー/環境科学 SASAGAWA）

▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/1440888

2012/03/05

タイトル通りの内容です。
国語の解説書。文章の技術書。形式は論文調。
国語という、ふんわり学問を具体的につきつめて論じてます。
教育機関での間違った指導法に食ってかかる一冊です。
作者の文法技術論全てに対して、一概に賛同できるとは言えないし、
これ一冊のルールさえ守れば完璧であるとも限らない。
けれど有益な本です。
悪文の訂正例など実例を多く用いていますし、
その他の文章技術論の要約や抜粋もあるので、
価値の高い本だと思います。

ただ、絞ればもっと薄くなったんじゃないかな～。

イマドキのビジネス書っぽく改訂して出ないかなー。
要点を項目タイトルにして、結論を各章の頭にもってくる→
その後実例を交えて詳しく解説していく　
みたいなスタイルだと、とても読みやすいし使いやすいんだけどなあ。