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読み書きの技法 ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 1996/02/21 |
JAN | 9784480056597 |
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読み書きの技法
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
もう一度じっくり読み直したいと思った。論理的な文章を書き、本を読み解く、「書くことと読むことの双方に通じる技法」を体系化した「読み書き」のハウツー本である。とはいえ、あくまでテクニックを教えるハウツー本でありながらも、ハウツーを越えた文章を読み書きすることの意義にまで踏み込んだ本...
もう一度じっくり読み直したいと思った。論理的な文章を書き、本を読み解く、「書くことと読むことの双方に通じる技法」を体系化した「読み書き」のハウツー本である。とはいえ、あくまでテクニックを教えるハウツー本でありながらも、ハウツーを越えた文章を読み書きすることの意義にまで踏み込んだ本でもある。 まず面白いの「読み書きの技法」に対する筆者の考え方だ。読み書きに関するハウツー本は、おおよそ「読み」のテクニックと、文章の「書き」のテクニックというようにバラバラのものとされることが多い。それに対して、この本では、「「書くための技法」を研究することは「読みの技法」の習得につながる」としたうえで、「読み書きの技法は同じものだ」とする。 というのも、読みと書きの過程は、ちょうど裏表の関係になっているからだという。読みの過程は、「センテンス(文)」から著者の「アイデア」を読み取って、自分なりにその意味を咀嚼した「自分の文」を生み出すことである。逆に、書きの過程は、自分の中に自分だけが理解できるものとしてあった「自分の文」を、まとまった「アイデア」にして、相手に伝わる「センテンス」にすることになる。 そういった意味で、文を読む過程というのは、実は、複雑な組み立てられ方をした文を分解して、自分なりに理解できるような形に「書く」ことなのだと筆者は言う。だから、書くための技法は、そのまま読みの技法になる。 では、筆者の言う書くための技法とは何かというと、実は、よく知られた「パラグラフ・ライティング」だった。文章の書き方として、パラグラフ・ライティングのことは知っていたけれども、この本で新しいと感じたのが、パラグラフの要素として、「中心文」「支持文」「まとめ文」みたいな3つの文で、一つのパラグラフ=段落を構成するといった話は他の本でもよく言われる話だと思う。ただ、この本では加えて、「論理関係明示子」と「パラグラフのベクトル」という二つの概念を加えて、パラグラフの要素を5つとする。 パラグラフ・ライティングは、たしかにわかりやすい文章の書き方としてまとまっているが、現実世界の文章は、そんな書き方では書かれていないものの方がはるかに多い。そのため、パラグラフ・ライティングでは言われないけれども、現実の文章には少なからずある文と文、パラグラフとパラグラフをつなぐものとして「論理関係明示子」という概念を、1つのパラグラフの中で書き手がどこからどこへ、どの程度、話を進めようとしているのかを捉えるものとして「ベクトル」の概念を導入する。この2つの概念が加わることで、世の中の「パラグラフ・ライティング」で書かれているわけではない多くの文章を、「パラグラフ・ライティング」という形式をとっかかりにして分析できるようになる。読めるということは、「パラグラフ・ライティング」の形式に半ば自分の中で書き直せるということになる。 文章全体の構成としての「ポパー図式」や実際に書き進める上でのテクニックなど、まだまだ学んだことは多いが、第三章の最後の方の一文が、一番気に入っている。 他者の文章を批判するとは、すでに述べたように、それを書き直すことであった。(p213) 著者にとって平明な文章を書くことは、誰にでもわかりやすいがゆえに、誰もがそこに書かれたことの議論に参加できるようにすることだという。そして、誰もが参加できる議論を経て「書き直される」ことで、文章は前進、新しい知を生み出すことになる。 ただのわかりやすい文章が書けるようになるためのハウツー本ではない。この本は、社会にある問題に対して、誰もがその議論に参加することで、よりよい議論を生むための技術。民主的にある種の真理を追求しようとする、学術的に真摯な態度をうむための技術に関する本だと受け取った。 そして、そうした態度は、筆者の勧める書き方のコツにもよく表れていると思う。 なりふりかまわず、手段を選ばず、ともかく書いてみるのが最初の段階である。(p173) ともかく何かを書いたら、それをしばらくー少なくとも一週間くらいー寝かせておこう。(p174) 筆者は、ともかく試行をしてエラーを排除していけばいいという、いたって楽天的な哲学にしたがって書き方の基本を考えたまでである。(p221) 要するに、とりあえず書いてみて、間違えたら、直せばいい。その楽天的だけれども、間違いなく前に進んでいく、その単純で簡単な哲学は、けっこう忘れられがちなような気がしてならない。
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思想書などの難解な文章を読み解き、論文を書くための方法を論じた指南書です。 著者はまず、パラグラフの役割とその分析のしかたについて解説しています。そこでは、当該パラグラフにおける主張をまとめた「トピック・センテンス」とそれを支える「サポーティング・センテンス」をさがし出し、さら...
思想書などの難解な文章を読み解き、論文を書くための方法を論じた指南書です。 著者はまず、パラグラフの役割とその分析のしかたについて解説しています。そこでは、当該パラグラフにおける主張をまとめた「トピック・センテンス」とそれを支える「サポーティング・センテンス」をさがし出し、さらに文相互の関係を示す「論理関係明示子」などの要素にも注目することでパラグラフの構造を明らかにすることができるとされており、さらに長い文を複数の文に分割するなどの分析方法が具体的に解説されています。 さらにこうしたパラグラフの構造についての理解にもとづいて、論理的なエッセイを書くための方法についても説明がなされています。 本書で説明されているような読み方をつねにおこなうことはできないでしょうが、とくに難解な箇所などでつまづいたときに、パラグラフの論理的構造の分析に立ち返って読みなおすことは有効なのではないかと思います。論文やレポートの書き方としてはすこし具体的なアドヴァイスに乏しいという印象はあるものの、本質的なことを学ぶことができる良書なのではないでしょうか。
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文の構成単位の中でも特にパラグラフに注目して文を読む技術を説き、その技術を踏まえて読みやすい論の書き方を、具体例を交えつつ教えてくれる本。 少しややこしい部分もあるけれど、これを体得したら論文を書くのはとても楽になるだろうなと思った。
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