- 中古
- 書籍
- 文庫
まるごと好きです ちくま文庫
定価 ¥814
220円 定価より594円(72%)おトク
獲得ポイント2P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 1996/04/27 |
JAN | 9784480031464 |
- 書籍
- 文庫
まるごと好きです
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
まるごと好きです
¥220
在庫なし
商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
友達、について、本一冊分を使ってじっくり考えた本。 私ってどうやって友達を作って、どういう風につきあってきただろう?という一人の人間の思考が、こんなに深く幅広いものになるものだろうか。 具体的な思い出を挙げながら平易な言葉で綴ってあるので、全然むずかしいことのような気がしないん...
友達、について、本一冊分を使ってじっくり考えた本。 私ってどうやって友達を作って、どういう風につきあってきただろう?という一人の人間の思考が、こんなに深く幅広いものになるものだろうか。 具体的な思い出を挙げながら平易な言葉で綴ってあるので、全然むずかしいことのような気がしないんだけど(まさに工藤さんの詩のように)、これはすごいと思う。 一番すてきなのは、「私はこうだったな」「私はこう思うな」と言いながら、それに対立するような、別の友人の話も載せて「それもそうかも」とどっちにも納得していること。これぞ彼女の「まるごと好き」。ぜんぜん、否定しないのだ。だから彼女の友人付き合いに感動すら覚えながら、読み終わったあと自らを省みて「それに比べて私の交友歴なんて」などと卑屈になることがなかった。むしろ励まされさえした。 「まるごと好き」は安心する。 悪いところばかりに目をつけて、あれやこれや物申すよりも、人のいいところを探してそこに「ぱちぱちと拍手を送る」。能天気なようだけれど、いや、能天気でないとできないのかもしれない。たぶん、肯定するより否定するほうが簡単で、自分のほうが上であるかのような気になれるのだ。 誰かをほめるということは、その人が自分より優れたところがあると認めることで、それをしてもなおかつ見比べて自分を卑下しないポジティブさが必要だから。そうでないと、あらゆる人が自分より上に見えてやってられない。 「何かを否定することで自分が上に立つ」のは、簡単だし、気分がいい。 飲み屋で友達相手に一席ぶってるだけならいいのだ。 最近それが、ネットという広大な空間で、ひとりひとりの小さな一席があっという間に喧々囂々の議論になって、そんなつもりじゃなかったのに大炎上、ということがよくある。 だから、今、「まるごと好き」はすごく大切じゃないかと思う。 全然話は飛ぶけれど、TBSラジオのウィークエンドシャッフルという番組には、毎週映画を一本批評するシネマハスラーという人気コーナーがある。ハスリングするメインパーソナリティの宇多丸さんが、言っていた言葉が印象的だった。 「(毎回映画を決める時の)さいの目で、うーわこれかよお、みたいに騒ぐこともあるけど、ぼく毎回ちゃんと期待して観に行ってますからね。前回がどんなに駄作だったシリーズでも「今回はおもしろいかも」って思ってますからね」 「見ないうちから、人の意見だけでテンション下げたりなんだかんだ言ったりとか、してちゃいかんなと。まだまだ修行が足りねえなと思いました。」 初めてのものに対して、まず肯定から入る。 いらない先入観は廃して自分の目だけで見てみる。 それが私が今目指していること。 その上で、自分の評価軸をもっているひとは、もちろんマイナスのところも見えると思うのだ。でもそれはそれでいい。 最初から否定で入って、もしかしたらおもしろいかもしれないものや、今までの自分の軸では評価しきれないような新しいものを、見逃してしまうのはもったいないと思うのだ。 そしてたぶん、まだまだ知らないものだらけの世の中だ。できるだけたくさんのものを好きになりたい。八方美人じゃなくて、どんなものにもいいところはある、それを知らないなんて悔しいから。
Posted by
多分、中学で転校したときに借りてきて読んだ本。単行本のピンクの表紙が印象的だった記憶があり、この季節になると、何となく読み返したくなる。と思いながら、ついに出あえず読んでいなかったのだけど、偶然文庫版を発見。読み返してみたら、なんと作者自身も転校が多かったのだと知り、それで選んだ...
多分、中学で転校したときに借りてきて読んだ本。単行本のピンクの表紙が印象的だった記憶があり、この季節になると、何となく読み返したくなる。と思いながら、ついに出あえず読んでいなかったのだけど、偶然文庫版を発見。読み返してみたら、なんと作者自身も転校が多かったのだと知り、それで選んだっけ~と、当時の自分をおぼろげに思い出す。かつてこの本に元気づけられた自分に今の自分が重なる。
Posted by
そっか、工藤直子って、博報堂にいたのか。ていう、根本から、スタートして。いい顔している人は、やっぱりいい文章書くなぁ、ということを思うに至る。松本大洋の母、さすが。(12/7/28)
Posted by