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コミさんほのぼの路線バスの旅
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | JTB |
発売年月日 | 1996/04/12 |
JAN | 9784533024764 |
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コミさんほのぼの路線バスの旅
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商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
7月初めの毎日新聞の書評欄で文庫になったことが取り上げられていた本書、図書館ですぐ借りれたので読んでしまいました。太川陽介・蛭子能収の前に路線バスのフォーマットは田中小実昌によって決まっていたのですね。(本書の刊行が1996年、テレ東の番組のレギュラー化が2007年だから先駆ける...
7月初めの毎日新聞の書評欄で文庫になったことが取り上げられていた本書、図書館ですぐ借りれたので読んでしまいました。太川陽介・蛭子能収の前に路線バスのフォーマットは田中小実昌によって決まっていたのですね。(本書の刊行が1996年、テレ東の番組のレギュラー化が2007年だから先駆けること11年!)高速バスを使わない、というこだわりや、毎回同行の女性がいる、とか。旅というものが時刻表とかGooglemapとかでしっかり管理できるようになった今、その外側にある路線バスの不確実性を楽しむゲームという設定がテレビ東京の発明。それに対して、予定通り、という生産性から逃避しまくるのという、著者の人生への向き合い方の表出が「コミさんほのぼの路線バスの旅」なのだと思います。なにしろお世話になった人へのお見舞いに行くためにバスに乗るところが旅の始まりなんだもん。それが西へ西へ繋がって九州鹿児島まで行ってしまうんだから。それも20年かけて。まさにゲームというよりライフって重さです。だから、彼の旅は距離の移動だけじゃなくて、時間の移動も縦横無尽で、思い出を繋いでいくので読んでて混乱することもしばしば。その中でたびたび言及されるのが「名前」という記号への興味のなさ。「名前」よりその内側にある「体験」を大切にしている、とかいうより「名前」というタグで思い出を管理することへの忌避感を感じました。もしかして戦争体験の結果なのかもしれませんね。実は田中小実昌って本書が初体験なので興味を持って次の本を探してみます。「ほのぼの」って著者の風貌キャラクターから来ているのだと思いますが、だんだん「ほのぼの」というより「ゆるゆる」で、「ゆるゆる」の根っこにある「どろどろ」を感じてしまいました。21世紀になってのテレビのバス旅に「狂ったゆるゆる」蛭子能収がマストなのもなんとなくわかりました。
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