ヴェジタブル・マン 植物人間 新潮文庫

渡辺淳一(著者)

• 内容紹介: 内容:ヴェジタブル・マン.母親.消えた屍体.医者医者物語
• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 1996/11/01
• JAN: 9784101176307

商品レビュー

2022/10/22

表題のヴェジタブル・マンを含めた4作品が入っています。

『ヴェジタブル・マン』
交通事故の加害者側の話。
当然だが、加害者の責任の重さを感じた。
会社での地位を気にしていた隆治。
最後のシーンの香織をみると、そんな地位より今のどん底の生活から早く抜け出したかったのだと思った。テンションが急に上がる香織に少し狂気を感じた。

『母親』
不必要な心臓移植が行われたという噂がある病院に入院中の親子。人間への成功率が低い手術を人体実験のように行うことに対して反対、自分の子どもがさてたらたまらない、、、と言う36歳の母親。5歳の息子がいるがその息子は喘息持ち。喘息に対してアメリカでは手術が行われているが日本ではまだまだ成功率は低い。その手術に対しての母親の気持ちはどうか、、、、

『消えた屍体』
医学部学生が解剖している献体が盗まれる。
ウェンさんの気持ちに共感すると共に、ご遺体の売買があるような世界は存在して欲しくないと思った。しかし医学の進歩や勉強のためには必要なご遺体。難しい。

『医者医者物語』
何か悪い病気なのではないか、、と考えてしまう主人公の気持ちはすごくわかる。
けど実際家族にこんな感じの人がいて、風邪で毎回この騒ぎ方をされたら疲れますね。

2013/11/11

交通事故で被害者を植物人間にしてしまった、加害者家族の苦悩を描いた話。実際には、もっと苦しい加害者もいるはず・・・。被害者としては、当然かも知れないが、加害者の責任の重さを感じる。
小説というより、ある意味、ノンフィクションかも知れない。任意保険には、十分に入っておこうと思った。