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類推の山 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1996/07/08 |
JAN | 9784309461564 |
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商品レビュー
4
14件のお客様レビュー
訳者のX投稿より興味を持ち、読んでみた。大人の冒険小説という感じ。先を読みたい気持ちと、読み込むに相応しい精神状態を己に求める欲求との間で、妙に時間が掛かってしまった。正直、感覚的に理解できない部分もありながら、素直に「物語」として読んでしまったが、まぁ正解はないのだろう。未完で...
訳者のX投稿より興味を持ち、読んでみた。大人の冒険小説という感じ。先を読みたい気持ちと、読み込むに相応しい精神状態を己に求める欲求との間で、妙に時間が掛かってしまった。正直、感覚的に理解できない部分もありながら、素直に「物語」として読んでしまったが、まぁ正解はないのだろう。未完であるのが残念ながら、私たちはまだこの先を受け取る準備が出来ていないのだろうかとも思う。不思議な物語。
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2008年11月26日~27日。 もどかしい。やはり未完で終わっているのがもどかしいのだ。非常に面白い内容だっただけに、やはり最後まで読みたかった。永遠に無理な注文なのだが。 確かに作者の最期と重ね合わせることも出来るだろうが、やはり作品としては未完なんだよなぁ。悔しいけ...
2008年11月26日~27日。 もどかしい。やはり未完で終わっているのがもどかしいのだ。非常に面白い内容だっただけに、やはり最後まで読みたかった。永遠に無理な注文なのだが。 確かに作者の最期と重ね合わせることも出来るだろうが、やはり作品としては未完なんだよなぁ。悔しいけれど。
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面白かった! 作家が文学的想像上の山を書き、もう忘れかけていたころに、詭弁家が連絡を取ってきて、「類推の山を信じる者がふたりもいる」 この人があまりに上手なので、ふわふわと熱にうかされたようになってしまう。 ただし家に帰れば冷静に。 こんなことがあったよと妻に話すと、妻「わたしが...
面白かった! 作家が文学的想像上の山を書き、もう忘れかけていたころに、詭弁家が連絡を取ってきて、「類推の山を信じる者がふたりもいる」 この人があまりに上手なので、ふわふわと熱にうかされたようになってしまう。 ただし家に帰れば冷静に。 こんなことがあったよと妻に話すと、妻「わたしが三人目よ」! たちまち12人集まり、仮定を積み重ねながら山の実在を語り、あろうことか8人が船で出発! 簡単に見つかってしまう!! 「七人の侍」やRPGのような仲間集めの楽しさ。 詭弁自体の面白さ。 レーモン・ルーセル「ロクスソルス」といいマンディアルグ「さかしま」といい、「ものづくし小説」の味わいも少しある。 ほかに連想できる作品多数。 ホドロフスキー「ホーリーマウンテン」の原作だって!? ヴェルヌ「地底旅行」からの影響は? 澁澤龍彦「高丘親王航海記」のもちろん源泉として。 ミハル・アイヴァス「黄金時代」とか。 宮崎駿「天空の城ラピュタ」とか。 これだけでもうきうきするのに、すべてが神秘家の「象徴的な自伝」になっているという、美味しさ! 生まれた時からポストモダンな人間には実感しづらいが、過去の人間は時代時代で取り換えつつも常に「背骨」を持っていた。 長いあいだ宗教。→科学。合理性。→世界大戦を経て、無意識。宗教というより神秘主義への回帰。→社会主義、共産主義。→反動としてニューエイジ思想。 以上すべてに全面的に浸かりきることは、もう、ないと思うが、それぞれからくみ上げてパッチワークして人生観や世界観を作っているのが、現代人。 個人的には本作の神秘主義は、幾分かマンガチックに思えたが、いったん山を降りて後身者に知識を伝えるという人間のあり方は、よいものだと思う。 楽しく読めて、「象徴的自伝」から「人類の象徴」をくみ取れる、うーむ、美味しい、美味しいぞ! 以下、脱線。 巌谷國士「シュルレアリスムとは何か」いわく、現実を飛び越えてシュールな境地へ、ではなく、現実を強固に直視しすぎて「超つよい」と同じ使い方で「超現実」の片鱗がほの見えてくる。 澁澤龍彦のいう「幻想小説にはもっと幾何学的精神を!」とはつまり、構成のくっきりした。論理や道筋のはっきりした、ということか。 曖昧模糊とした夢幻郷に遊ぶのではない。 現実や論理や構成を重視すればこそ沸き起こる幻想味だ。 それが「非ユークリッド的」な。(本書の前書き) ユークリッド幾何学な作品から、非ユークリッド幾何学的な読み応え。 連想。のちに島田荘司が打ち出す「本格ミステリ」(幻想的な謎を論理的に解決)の逆矢印のニュアンスか? 「論理→幻想」と「幻想的謎→論理」。
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