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セント・メリーのリボン 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | ハードボイルド短編。最高に魅力的な男たちの生き様に惚れる!内容:焚火.花見川の要塞.麦畑のミッション.終着駅.セント・メリ-のリボン |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
| 発売年月日 | 1996/02/01 |
| JAN | 9784101218120 |
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セント・メリーのリボン
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商品レビュー
4.3
9件のお客様レビュー
男だからなのか、どこ…
男だからなのか、どことなく侘しさを感じた。ラストの「セント・メリーのリボン」よりも、「花見川の要塞」が私はよかった。男の贈り物をテーマにした短編小説集。
文庫OFF
妻がデパートの冊子の紹介か何かで興味を持ち入手した本。 私も読んでみた。短編が数編。 メインはタイトルの「セント・メリーのリボン」 ハードボイルドヒューマン小説?だった。 山を半分相続した、猟犬専門の捜索家が主人公。 やくざの奥様?の依頼は、盗まれた盲導犬を探してと。 あっさり見...
妻がデパートの冊子の紹介か何かで興味を持ち入手した本。 私も読んでみた。短編が数編。 メインはタイトルの「セント・メリーのリボン」 ハードボイルドヒューマン小説?だった。 山を半分相続した、猟犬専門の捜索家が主人公。 やくざの奥様?の依頼は、盗まれた盲導犬を探してと。 あっさり見つけるが、犯人の背景を知った主人公は、、、 盲導犬にふさわしい、あったかい小説になっている。 短編だけに、かなり強引なストーリー仕立てだけど。 盲導犬といえば、先日一緒に旅ランしたラン友は、 盲導犬をサポートするお仕事もしている。 寄付とボランティアで成り立っていると。 この小説からもその一端がちょこっとうかがえる。 ラン友、この小説知ってるかな。 他の4編 「焚火」「花見川の要塞」「麦畑のミッション」「終着駅」 ハードボイルドでファンタジー。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
惜しくも亡くなられた稲見一良氏の'93年の作品。 よくこの人の作品は“男のメルヘン”と云われるが本作もまさにそう。大学の頃に読んだ『ダック・コール』の煌きが蘇る。 今回収められた作品は5編。 駆け落ちした女との逃亡途中の男と束の間の休息と食事と癒しをもたらす老人との出逢いの一時を描いた「焚き火」。 雑誌のカメラマンが作家のエッセイを飾る写真を撮りに訪れた花見川で遭遇する軍用鉄道の幻を描く「花見川の要塞」。 ミッションで空撃を受け、車輪が出なくなった爆撃機ジーン・ハロー。胴体着陸をすれば機体下部の銃座にいる仲間が死んでしまう中での奇抜な着陸の顛末を語る「麦畑のミッション」。 「終着駅」は37年間、東京駅の赤帽を勤めてきた男が、ふとしたことから大金と遭遇する事で、ある決断をする話。 そして表題作「セント・メリーのリボン」は猟犬の探索を生業とする猟犬探偵竜門卓の話で、狩猟中に消えた愛犬の奪還の話と盲導犬の奪還の話が語られる。 今回目立ったのは物語が途中から始まる作品が多かった事。というよりもウールリッチの短編に特徴的に見られた、1つの大きな物語の断片を切り取って語っている手法で物語自体に決着がついているというものではないこと。 特に「終着駅」はやくざの金を盗んだその後が非常に気になるが、稲見氏は赤帽の杉田雷三という男がある決断をする1点のみを語るに過ぎない。そこから先は読者に任せるとでも云っているかのようだった。 冒頭の1編「焚火」も駆け落ちした男の物語としてはエピソードのうちの1つに過ぎない話なのだが、これもそこ1点に集約してそこから拡がる物語を語っているかのようだ。 表題作は主人公竜門卓が明らかにフィリップ・マーロウをモデルにした不屈の騎士(卑しき街を行くではなく一人孤独に山野を駆ける)として描いている。粗にして野だが卑ではないという言葉を具現化した人物像になっており、非常に魅力がある。特に狩猟と犬に関しては作者の確たる知識・経験が色濃く反映されており、自然体であるがゆえに本物が書く本物の物語といった感じがした。 その反面、盲導犬の件は作者自身も詳しくはなかったのだろう、明らかに作者が取材し、対面した人物をそのまま頂いたという感じで素人じみた書き方になっている。 しかしここでもリチャードという老人の造形が際立っており、稲見氏の技量が遺憾なく発揮されている。特に盲導犬窃盗の犯人側の事情も心に傷みを伴うものであるのが上手いと感じた。最後の竜門の不器用さも含め、心に残る作品だ。 「麦畑のミッション」はもろ映画『メンフィス・ベル』だ。結末は容易に予想つくものの、ここでは戦争物も飛行機の装備や操縦技術などの専門知識の精緻さも含め、この人の底知れない懐の深さに唸らされる。物語も麦畑同様、豊穣この上ない。 一番好きなのは実は「花見川の要塞」。花見川にそれと気付かないほど朽ち果てた軍用鉄道の線路とトーチカがあるという設定で子供の頃に作った秘密基地を思い出させてくれたし、なんせ戦争中の軍用鉄道が目の前で蘇り、しかも年代物のライカと古いフィルムで撮影が出来たというおまけも含め、これぞ男のメルヘンだ。時間を忘れた読書だった。 稲見作品の特徴として野外の食事の描写が挙げられる。素朴で粗野な食事をなんとも上手そうに描写する筆致はこちらの涎を誘う。 そして野鳥がモチーフとして出てくる事。この野鳥に対する愛情が行間から滲み出てきている。いや、野鳥だけでなく食事の件も含め、自然への愛情と敬意がそこはかとなく心に染みゆく。 とにかく全てが色彩鮮やかだ。風景も物語も。 私は今回、稲見氏の作品を読んで日本のマーク・トウェインだと思った。作品数は非常に限られているので一度に読まず、また数年後、出逢う事にしよう。
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