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日中十五年戦争史 なぜ戦争は長期化したか 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1996/01/25 |
JAN | 9784121012807 |
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日中十五年戦争史
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商品レビュー
4.3
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「国民政府を対手とせず」の宣言を、当時の日中関係の破綻の「ポイント・オブ・ノー・リターン」として、そこまでの経緯、講じられてきた数々の和平の模索が潰えていった流れを追う。 この辺の経緯は、義務教育ではほとんどやらないので、経緯が追えたのが良かったのと、戦争に向けた流れがある一方で...
「国民政府を対手とせず」の宣言を、当時の日中関係の破綻の「ポイント・オブ・ノー・リターン」として、そこまでの経緯、講じられてきた数々の和平の模索が潰えていった流れを追う。 この辺の経緯は、義務教育ではほとんどやらないので、経緯が追えたのが良かったのと、戦争に向けた流れがある一方で、和平への道もいくつもあったことも分かったのが良かった。 いくつもの分岐点があったのに、間違え続けた結果の破局の歴史から学ぶことは多い。
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ようやく読み終わりました。著者は日本開発銀行勤務の在野の現代史家ですが、アジ・太平洋戦争に関する多くの著作を書かれている人です。 タイトルは十五年戦争ですが、実際に取り扱っているのは満州事変の前史から1938年の「国民政府を対手とせず」宣言までです。 丹念に資料をおさえながら、日...
ようやく読み終わりました。著者は日本開発銀行勤務の在野の現代史家ですが、アジ・太平洋戦争に関する多くの著作を書かれている人です。 タイトルは十五年戦争ですが、実際に取り扱っているのは満州事変の前史から1938年の「国民政府を対手とせず」宣言までです。 丹念に資料をおさえながら、日中間に和平の道はなかったのか?ということを主眼に書かれています。 大体の要旨としては… 満州事変は一部の功名心にはやる軍人(要は石原莞爾)の下剋上であったこと 日本はリットン調査団を要請しながら、その結論が出る前に満洲国を承認してしまい、解決の道を自らとざしてしまったこと。 有力な和平案もあり、交渉も行われていたが、政府の優柔不断や軍部の独走で閉ざされてしまう事。特に幣原、広田、近衛への批判は手厳しいものがある。 戦争当初は、世論も戦争一辺倒ではなかったこと。 中国の反日感情をのっぴきならないものしたのは、華北い手を出したことによるもの(満州域内に留まっていれば和平の可能性があったこと)。 支那事変当初は参謀本部や満州事変時の軍中央のように、軍内部でも和平への動きがあったこと。 これらの原因として、巧妙心にはやる軍人をコントロールできない日本の国家の性格と、日清戦争後顕著となった中国に対する優越感、蔑視をあげています。 敢えてイフの視線を取り入れて、和平の可能性を探る論考は結構スリリング。 その是非はともかく、「あとがき」に著者の矜持が示されていて大変興味深いです。
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