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ONCE 私の20歳代 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 1996/01/25 |
JAN | 9784087484250 |
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ONCE
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
谷川さんの代表作「二…
谷川さんの代表作「二十億光年の孤独」も21歳で書かれた作品だっていうからその才能に驚かされる。するどい感性は20代のころもそして現在も衰えることがない。彼のすごさの原点を見たって感じです
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詩人谷川俊太郎の出発点ともいえる本。 十代の頃、二十代の頃、私はどんなことを考えていたんだろう。 『ONCE‐ワンス‐私の二十歳代』 谷川俊太郎 (集英社文庫) この本は、谷川さんの、主に二十代の頃の詩や散文、日記、歌、写真などが収められている。 やはり詩人というものは十代の頃からすでに詩人なのだな、と思った「10代のノートから」。 日々考えたことを日記のように書き留めたものだが、若さのせいか哲学のかたまりのようになっている。 でもそこがいい。 「自分の態度の反省より、どんな気持ちがそんな態度をとらせたかとゆう反省の方が大切である」 「天と地の余りに豊かなポエジイが僕の無能をかなしませる」 「僕は雲の一片を見るためだけにでもこの世に生きていたい」 難しいこと考えてるな。 十代の谷川青年は、こんなふうにいろんなことを考えて、たくさん反省をして、詩を書いて、ベートーベンを聴いて、またいろいろ考えて反省して…。 真面目だなぁ。 詩人の“基礎体力”を見る思いがする。 冒頭には、「ONCE impressions」と題して、本人が撮った写真がたくさん載せられている。 50年代のモノクロ写真と、それに添えられている言葉が、変に力が入っていなくてとてもいい感じだ。 その中に、詩人の三好達治さんの写真があった。 谷川さんは、三好さんに最初の結婚のとき仲人をしてもらったそうだ。 離婚の報告に行ったら、三好さんは涙を流された。 私は三好達治ファンなので、何だかじんとしてしまった。 詩は、二十歳頃書かれたものが中心である。 「Mへの挽歌」という、なんと首吊り自殺をしたMさんの詩があるのだが、ぶら下がっている彼の足の下には美しい野原がひろがり、頭の上には青空がある。 “死んでいる”のに何でこんなにまわりの景色が綺麗なんだろう。 非常に厳粛で人への尊厳が込められていて、“死”を扱っているのに明るくて、とても不思議な感じのする詩だ。 谷川さんの詩の中でも、私は言葉が優しくてあったかい感じのする作品が好きだ。 「静かな今日がひろがっている 雲のように 与えるものも享けるものも それから ひそかな風がひとしきり…」 (「五つの唄」より) 「遠い昔 コーヒーがあった たそがれは黄色に光り 風は硝子を鳴らしていた」 (「幽霊の歌」より) 自分の体がどこか別の場所にあるような感覚、今実際に見ているものとは別のものが目に映るような、心もとないふわふわした感じをどう説明したらいいだろう。 生まれてくる前の自分を、とても懐かしい気持ちで眺めているような。 一般的に詩は難しい、暗い、というイメージってやっぱりある。 自己満足のかたまりのくせに他人に読まれることを意識しているようなところが鼻につくし。 昔の詩人に結核が多いのは、詩人特有の中心気質が病気を呼び込むからだ、というようなことを何かで読んだことがあるが、そんな暗い詩人のイメージは谷川さんにはまったくない。 哲学者の父(谷川徹三氏)を持ち、一人っ子として経済的に恵まれた家庭で育った谷川さん。 貧しさや反抗や挫折や絶望などの暗い側面は、自分の青春にはなかったのだと語る。 活動もダイナミックだ。 詩だけでなく、脚本、作詞、エッセイ、評論。 絵本も作れば映画も作る。 「スイミー」「マザーグース」「スヌーピー」などの翻訳を手掛け、イベントやシンポジウムで自作の詩を朗読する。 したたかでパワフル。 「10代のノート」の中でも、「生きているということそれ自身が僕にとっては最上の幸福」だと言っている。 とにかく“生きている”ことが嬉しいのだそうだ。 “生きている喜び”の積み重ねが今の谷川さんを作っている。 前回読んだ本の河合隼雄さんの「詩解釈」でも、そういう前向きさとか心の安定が表れていたし、例えば「苺」という単語を使っていることに対して、「幸せな幼年時代を過ごした人」という診断がなされていた。 私は、“生まれてきてよかった”と子供が思ってくれたら子育ては成功なんじゃないかと日頃思っているので、谷川さんみたいな人は本当に素晴らしいなと思う。
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3回読みました。 確かに1950年代の空気感がが漂っている気がしました。 「10代のノートから」を読むと、やっぱり天才は、10代のころから考えていることが、凡人とは違うんだなあ、と思いました。 「歌」や「詩」は谷川さんはいつもの洗練されているイメージと少し毛色の違う泥臭いものが...
3回読みました。 確かに1950年代の空気感がが漂っている気がしました。 「10代のノートから」を読むと、やっぱり天才は、10代のころから考えていることが、凡人とは違うんだなあ、と思いました。 「歌」や「詩」は谷川さんはいつもの洗練されているイメージと少し毛色の違う泥臭いものが(若さでしょうか)時々あるなあ、というかんじがしました。 他の本の年表によると『二十億年の孤独』、『六十二のソネット』、『愛について』、『絵本』などの詩と同時期にかかれているようですが、この本は谷川さんの別の一面が出ているような気がしました。
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