葛の葉抄 あや子、江戸を生きる PHP文庫

永井路子(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 1996/12/16
• JAN: 9784569569642

商品レビュー

2009/05/30

BOOK OFFの100円書棚で購入、江戸時代に生きた女流作家の物語、
作者が永井路子なので購入しました。
作家には定年退職というような「節目」がない職業だそうです。
この人は、やはり区切りをつけたかったそうです。
それでこの作品を最後にしたいという気持ちがあったとのことです。
この小説の主人公は女性で、江戸時代の清少納言の様な人で、
いわば女流作家、つまり　作者と同じような立場の人。
作者が　作家生活のほぼ最後の作品の主人公として選んだのが、
女流作家、江戸時代の清少納言と言われる人の生き様です。
全編で江戸時代の一般的な女性の生き方を描きながら、
この主人公の人生の成り行きの部分、生き方の部分、
成長などを対比させて物語は進んでゆきます。
主人公は歳とともに一般的な女性に馴染まない考え方になってゆきます。
江戸城の大奥の様子はNHKのテレビドラマ「篤姫」でありました。
江戸城でなくて普通の大名屋敷の場合は　ただの「奥」といわれます。
当時の女性にとって奥勤めは　今で言う　女性のOLや女子大学ににていて、
その勤めで女性は多くをまなんだそうです。
途中　主人公と滝沢馬琴とのかかわり合いもあります。
（平岩弓枝が現代語に書き直しの南総里見八犬伝を読みました。）
江戸時代の読み物というと、剣劇、捕り物、人情、お家騒動、仇打ちなどが
おおいですが、それらに当てはまらない作品で　作家「永井路子」は
締めくくりをしたかったそうです。
本当に最後の作品に成ったのかは知りませんが　読み応えがありました。
BOOK OFFで100円で買えて大満足でした。