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弥生から古墳へ 日本の古代はこうして始まった
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弥生から古墳へ 日本の古代はこうして始まった

大阪府立弥生文化博物館(編者)

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弥生から古墳へ 日本の古代はこうして始まった

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 同朋舎出版/
発売年月日 1996/06/20
JAN 9784810422894

弥生から古墳へ

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2020/06/27

日本史の最大のミステリは、「日本はいかにして統一されたか」だろうと思っている。戦後、考古学が何千万という状況証拠を積み重ねてきたが、未だ決定的なブツは出ていない。これさえわかれば、卑弥呼の居所なんて些細なことだ。本書は、その決定的な「時期」を縦横に語った記録ではあるが、当然そのこ...

日本史の最大のミステリは、「日本はいかにして統一されたか」だろうと思っている。戦後、考古学が何千万という状況証拠を積み重ねてきたが、未だ決定的なブツは出ていない。これさえわかれば、卑弥呼の居所なんて些細なことだ。本書は、その決定的な「時期」を縦横に語った記録ではあるが、当然そのことは語られていない。 先に博物館図録の安価物をネットで見つけたものだから、弥生文化博物館編のコレはてっきり図録と思い取り寄せたら(250円)、しっかり単行本でした。元価格は2500円。中に線引きが多くて安いのも納得。でも満足です。 94年、弥生文化博物館開館3周年、近つ飛鳥博物館開館記念シンポの記録で、高名な学者ばかりが出ています(ホントにみんなスーパースターばかりなんですよ。今気がついたけど、五人とも、いまや全員故人になっていますが)。内容は以下の通り。 「皆の中の1人から皆の上に立つ1人へ」佐原真(国立歴史民俗博物館副館長‥‥当時) 「弥生時代から古墳時代へ」田中琢(奈良国立文化財研究所所長) 「卑弥呼の王号から武の官号へ」大庭脩(近つ飛鳥博物館館長) 「首長制社会からクニへ」佐々木高明(国立民族学博物館館長) 金関恕(弥生文化博物館館長)をコーディネーターにして、5人でシンポジウム。 この中で、佐原真は私を考古学に引き込んだ張本人です。別に、直接お話した事はなくて、文章を読んで講演を聞いて一挙にファンになっただけなんですが。人生はわからないものです。山極寿一に先に接していたら、もしかしたら私は人類学オタクになっていたかもしれない。 佐原真の何を読んで?というのは長くなるので省略するとして、改めて佐原真のエンタメ性を再確認しました。難しいことをわかりやすく話すだけでなく、それを周囲にも影響させる。考古学の講演で、オペラを歌うなんて、佐原真だけです。会場が大阪堺という場所柄もあって、全面関西弁の講演やシンポになりました。その空気まで全部再録していて、稀有なシンポ記録でした(高価なのが玉に瑕)。最近は、普段使いの言葉で、高度な研究成果を話すシンポは一度も聞かなくなりました。それは佐原真が居なくなったからかもしれません。01年ぐらいに聞いた鳥取妻木晩田遺跡国指定記念シンポで、膵臓癌の闘病明けから復帰したばかりの痩せ衰えた、けれども相変わらず会場を沸かせた氏の姿は、忘れられません。 ここで、佐原真はとても重要なことを指摘しています。要点は以下の通り。 ・銅鐸と土器に、同じ絵と紋様がついている。よって銅鐸は、有力な個人のものではなく、村びと共通の祭として使われたものです。 ・中国の殷・周の青銅器紋様には、いろいろな秘密が込められていて、一般の人々にはわからないようになっています。 ・古墳時代の直弧文は、支配者の紋様と考えてよさそうです。 ・弥生時代の終わりには、技術の分裂がありました。即ち一般の人々が使うものと身分の高い人が使うものに分かれました。土器も、簡単なものと、非常に手をかけた土器があります。 ・青銅器時代(銅鐸祭祀)が何故終わったか、ということは、だから「皆の中の1人から皆の上に立つ1人へ」の動きの中で成されました。 ←直弧文の前段階と言える弥生晩期の楯築遺跡の孤帯紋様は、だから支配者だけの秘密だったのか?そういう視点は初めて貰った。 ←弥生時代の銅鐸祭祀は、中国の伝統を受け入れないで始まったということか。(極めて日本的な祭だった) ←銅鐸祭祀の終わりの時期は、埋納時期がはっきりしないために謎になっているのだが、銅鐸と同じ紋様の土器の編年を調べるとはっきりするのではないか?どうしてそういう研究成果が出ないのか?  ※すみません。勘違いしていました。土器の編年(作製時期)がわかっても、問題は埋納時期(青銅器祭祀の終わりの時期)なのだから、研究しても仕方なかった。(20.6.28追記) ←楯築の孤帯紋様が、実質大和政権支配者紋様の始まりなのだから、この秘密を探ることで、大和政権祭祀の秘密は明らかになるはずなのだが、未だにはっきり言及した研究が出てこない。←私の仮説はあるのだが‥‥。

Posted by ブクログ

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