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認知システム工学 情況が制御を決定する
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認知システム工学 情況が制御を決定する

エリックホルナゲル(著者)

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認知システム工学 情況が制御を決定する

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 海文堂出版/
発売年月日 1996/09/15
JAN 9784303729905

認知システム工学

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2020/05/26

「読む」ことの主たる目的は,知識を得ることである。しかし,予めある程度の知識を持って読まないと,その「読む」という行為すら辛く,ときには苦痛に感じられる。300ページの本を読むってとても大変なことだ。この困難を克服するためには,ただひたすら読むしかない! 「本書の中で(ホルナ...

「読む」ことの主たる目的は,知識を得ることである。しかし,予めある程度の知識を持って読まないと,その「読む」という行為すら辛く,ときには苦痛に感じられる。300ページの本を読むってとても大変なことだ。この困難を克服するためには,ただひたすら読むしかない! 「本書の中で(ホルナゲル)博士が最も強調しているのは,「要素分解原理」に基づく解析的手法では,人間行動の本質は解明できないということである。人間行動は,それが行われる情況によって主に決定され,その本質は情況の全体性の中にある。」 (監訳者 あとがきより) 第4章で,人間行動を説明する3つのモデルが紹介されている。 まず,最も広く知られているものとして,刺激-生体-反応(S-O-R)パラダイムがある。これはすなわち,反応は刺激と生体の関数,R = f(S,O)によって表されるということである。このパラダイムは,現在では,以前ほど適切なパラダイムとして心理学で受け入れられていない。 次に挙げられるのは,人間を情報処理システム(IPS)とする観点である。これによれば,心的過程は厳密に規定可能な手順とみなされ,感覚入力,運動および他の心的状態との因果関係として定義される。ただ,これもナイサー(Neisser,1976)によって風刺されてきたものである。 第3は,著者が提唱する認知的観点であり,人間の認知的機能,ひいては人間行動は系列的ではなく,循環的であるという点を強調している。認知作用は外部事象や刺激により始まり,行為あるいは反応で終わるのではない。循環的な観点では,人間の行動は情況(タスクと状況)によって決定されるとみる。これは,ナイサーの知覚循環モデルにも表されていることである。人間は事象に対して受動的に反応するのではなく,能動的に情報を探し,外界の物事の進展と自らの意図に基づいて行動する。 たとえば,テニスをする人は,打ったボールがどのように飛んでいくかを考えて球を打つ。彼は運動を行ってみてその行為の結果を知覚し,さらにどうしたらよいかということについてもっと正確な意図を立て,再び実行し,その結果を知覚する…。このようにして,最終的な成果が遂げられるわけである。熟練を要する活動は,その瞬間において行っていることの現状,過去に起こったこと,および行為者の計画や期待などに依存している。この循環的な過程はまさに知覚循環のモデルにあてはまる。 (ナイサー 『認知の構図』 1976より) 「循環(ループ)」「連続性」という観点は,ナイサー,ホルナゲルに共通したものである。 これらは僕にとってもすごく大切な要素になりそう。 <自分の課題> 「人間の行動制御に情況がいかに影響するか」ということを,どのような実験によって調べることができるか考えなければならない。

Posted by ブクログ

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