大人の主張 扶桑社文庫

石原壮一郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 扶桑社/
• 発売年月日: 1996/02/29
• JAN: 9784594019143

商品レビュー

2010/05/28

大人といっても解釈は…

[文庫ＯＦＦ]

大人といっても解釈は色々だけど、この本はちょっとＨな方の主張をまとめたもの。この人の本の作りはいつも独特で面白い。ただ、今回は色々な所に書いた原稿をまとめたせいか、ちょっと散漫でパンチにかける部分も出てしまっているのが残ね。

2024/12/09

まえがきで、「大人の主張とは、大人による大人ならではの大人をさらに磨くための主張です」と一応もっともらしいことを書いていますが、本書は「男女交際」関連にクローズアップした下世話でアダルティな内容です。
例えば、「電車内における鑑賞法」ではミニスカ女子の見えそうで見えないパンティをいかに攻略するかを指南。まず、対面の席に座り、かつ太陽を背負う側という位置取りからの、相手を油断させるため雑誌を読むフリをして目の端で足首付近の動きを追って、膝が離れる気配を感じたら、ゆっくり雑誌から目を上げて、外の景色へと視線を移動させる途中で、核心部分をチェックする…その瞬間、冷たい都会の風にさらされすさみがちな心に小さな温かい灯が見えてくるかも。なんて、こんな話がずっと続きます。
実は私が見た中では、さらなる猛者がいましたよ。なんと、相手の女性が爆睡しているのをいいことに、自分の身体を座席からずり落として視線を股関に直面させるという荒業。もちろん、その露骨な態勢から周りは冷たい視線を浴びせていましたが、恥も外聞もないその一途さに同情と哀れみを誘っていました。一応断っておきますが、私の実体験ではありませんよ。
そして、こんな講座も。
「彼女がいない生き方満喫講座」
その幸せ5箇条とは、
第一条:全女性を自分の彼女予備軍と想定出来る
第二条:他人の彼女の悪口で遠慮なく盛り上がれる
第三条:フラれることへの怯えや恐れと無縁でいられる
第四条:感動の薄いセックスを義理でする必要がない
第五条:彼女持ちをいつか見返す夢をいだき続けられる

その他、「大人の書評」「大人の教養『やる気まんまん』の謎」など盛りだくさん。特に後者は、日刊ゲンダイ連載の横山まさみち著のお色家漫画ですが、巻末には「秘貝列伝」「主人の変遷」の一覧表もあって親切(?)。