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隣りの庭 ラテンアメリカ文学選集15
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 現代企画室/ |
発売年月日 | 1996/10/14 |
JAN | 9784773896077 |
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隣りの庭
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
それなりに面白く読んだ。少なくともパッと見には、明かされる秘密も伏線もなく、作家のなりそこないが満たされない承認欲求、自己憐憫、身に余るプライド、その他色んな感情に雁字搦めになっていく様が描かれていたように思う。平板な訳ではないが、凄く仕掛けや語り方に凝っているとも思えない割に...
それなりに面白く読んだ。少なくともパッと見には、明かされる秘密も伏線もなく、作家のなりそこないが満たされない承認欲求、自己憐憫、身に余るプライド、その他色んな感情に雁字搦めになっていく様が描かれていたように思う。平板な訳ではないが、凄く仕掛けや語り方に凝っているとも思えない割には面白く読めたのが、個人的には珍しい。 「凄く凝っている訳ではない」というのが、ミソで、文章的なギミックがあるにはある。が、個人的にはそれが取ってつけたような感じもするし、殊更に取り上げるほど素晴らしく、ユニークなやり方であるとは思わなかった。一方で、特に中盤までは、あまり時系列にとらわれることなく話が進行する(にも関わらず読みにくくはない)点は興味深い。地の文である話題が提示されたと思ったら、シームレスにそれに関連するエピソードの描写が始まり、ときにはそこから更に別のエピソードに接続されて、元の時間に戻って来たりするのは、少しアクロバティックな話の展開の仕方かも知れない。ひょっとすると、実際とりとめのない人間の思考(特に回想)を再現したのだろうか、とも思えた。 文字はみっちり詰まっていて、冠飾句のような言い回しも多く、最初は読みづらかったものの、ほどなくして慣れてくる。ときに、美しい風景を克明に想起させるような文章もあって、読み心地は中々だった。 ただし、主人公というレンズを通して描写することを徹底しているため、同一のものについて語っていても、気分によってその評価や美醜すら変わるように思われる。登場人物について「これ」といった画一的な特徴を与えられない点で、主人公にとってそれがどういう人物なのかは定まりにくいが、ある意味現実的だとも思うし、瑕疵とは言えないだろう。 作品とは少し離れて、個人的に読んでいて感じたのは、外国の現代小説(執筆時点での「現在」を舞台にした小説とする)は、ある程度文脈の把握が必要になってくるのではないか、ということ。読み手に何か特別な断りを入れる必要のない、常識を共有した世界を扱っているために、場所と時代が離れた(=常識を共有しない)読者は、ひょっとすると読む上での前提を欠いた状態で挑むことになってしまうかも知れない。そういう意味では、異なる世界を描いたSFやファンタジーの方が、却って普遍的に読まれうるということもありえるのかも...? 本書の場合も、やはり執筆当時の政治状況などを頭に入れておいた方が楽しめるとは思う。ただ、どうしても解像度は低くなってしまうだろうが、たとえ徒手空拳で挑んだとしても、物語を展開する上で把握が必要な情報は、その都度提示されていたように感じた。 こうして振り返ってみると、凄く気に入った作品ではないにしても、完成度の高い作品ではあったように思う。 個人的な疑問としては、「エピグラフや引用に字面以上の意味があるのか」そして「台詞が鉤括弧でくくられているところと、地の文で一気に書かれているところとは、どう違いを設けているのか」の二点が、解釈しきれていない。 内容に踏み込んだ感想は、コメントにて補足する予定。
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「隣りの庭」というキーワードは祖国、隣人、夫婦、世代、別なセクシャルの事を指す。作家として成功できず鬱屈した精神で「隣り」を眺めてぐだぐだ書かれている。特に夫婦についてはもう息苦しく感じるほど残酷に妻を批判している。「隣り」に対して人って本当に意地悪になるのだなあと辟易していると...
「隣りの庭」というキーワードは祖国、隣人、夫婦、世代、別なセクシャルの事を指す。作家として成功できず鬱屈した精神で「隣り」を眺めてぐだぐだ書かれている。特に夫婦についてはもう息苦しく感じるほど残酷に妻を批判している。「隣り」に対して人って本当に意地悪になるのだなあと辟易していると最後の一章でどんでん返しがあって驚く。そして『境界なき土地』同様、ドノソは女性やゲイ的な人物の視点を取り入れるのがうまいと思った。ラテンアメリカ文学全般を批判している部分がとても面白い。
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スペイン亡命中の、チリ人小説家の中年男が主人公。 彼がぶつかる問題-ラテンアメリカブームに乗っているほかの作家たち(カルロス・フエンテス、ガルシア・マルケス・・・)への僻みや、祖国の病気の母親への不安や、息子や妻、編集者への不満などを、たらたら並べているような小説でした。 退屈...
スペイン亡命中の、チリ人小説家の中年男が主人公。 彼がぶつかる問題-ラテンアメリカブームに乗っているほかの作家たち(カルロス・フエンテス、ガルシア・マルケス・・・)への僻みや、祖国の病気の母親への不安や、息子や妻、編集者への不満などを、たらたら並べているような小説でした。 退屈で、何度も途中で読むのやめようかと思いました。 最終章はどんでん返しだけど、あれ、必要かなぁ。あのどんでん返しがあってもなくても・・・って感じでした。 タイトルの「隣の庭」ですが、隣の芝生は青い、とかいう慣用句からとられているのかな? 情けない男の独り言のような小説は、嫌いではないですけどね。 次は「夜のみだらな鳥」を読んでみます。 El jardín de al lado
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