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蛇遣い座の殺人 光文社文庫
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蛇遣い座の殺人 光文社文庫

司凍季(著者)

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蛇遣い座の殺人 光文社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/
発売年月日 1996/12/20
JAN 9784334723316

蛇遣い座の殺人

¥440

商品レビュー

2.5

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2024/11/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

名探偵一尺屋遙シリーズの本書、オランジュ城館というフランスの城館を舞台にし、見取り図まで付け、しかも冒頭から壁を通り抜けて落下した死体、天を舞う蛇といった島田荘司氏ばりの奇想から幕開け、その後も白髪の狂った老女の登場、飄々とした探偵の登場といった横溝正史の金田一シリーズを髣髴させる幕の開け方、そして城主影平氏の、家電の買い込みと小型トラック1台分の殺虫剤を購入し、庭のあちこちに埋めるといった理解しがたい行動、等々、作者の本作に賭ける並々ならぬ意欲がひしひしと伝わり、正直、「これは!?」といった期待感があったのだが・・・。 真相を読むとどうもアンフェアのオンパレードだという印象が拭えない。 壁を通り抜ける飛び降り死体の真相、死体の靴が左右逆になっていた真相などはあまりの情報不足にこちらの推理では解るはずもないもので、隠れ扉が頻出し、落胆した。作者は図解を交え、色々緻密な説明をするのだが、これはきちんと予め図でヒントをくれないと解らないでしょう。 そして最初に起こる殺人事件の真相も実に呆気なく、最終章を迎える前に容易に探偵が種明しをしてしまう。 いや、これはこれでも構わないのだ。その後に起こる事件にもっと魅力があれば。 しかし、次に起こる事件は過去に起こった事件と全く同じ物で、読者側にしてみれば同じトリックの使い回しのような感じを受けてしまう。 そして結末は作者の心酔する島田氏の作品に倣うかのように、またもや関係者の手記で幕を閉じる。 もしこの同じ設定を活かして島田氏が書けばどうなるだろうと想像してみる。恐らく、評価は少なくとも星1つは多くなるだろう。 私が思うに、この作者には「推理」小説は書けるが推理「小説」は書けないのではないだろうか? つまり、この作者には物語が持つ「熱」を感じないのだ。 「熱」とは、物語を読んで、読者が抱く悲哀感、爽快感、高揚感といった物である。これらが一切感じられない。 確かに物語を色濃くするために戦争のどさくさで日本軍が密かに行った物資横流し事件など、単純なパズルゲーム小説には終始していない。それは認めよう。 しかし、それが単なる飾りにしかなっていないのだ。 島田氏ならば、それ自体が非常に面白い読み物として提供してくれるだろう。ここに作者の力量の差が歴然と出てくるのだ。 奇想を作る才能は感じた。あとはそれに見合う物語力を求める。 私は小説を読んでいるのだから。 最後にもう一点。題名の『蛇遣い座の殺人』、最初に出版された時は『蛇つかいの悦楽』という題名だったが、これが全く物語に寄与していない。 蛇遣い座は作中では単なるエピソードとしてギリシャ神話の中での成り立ちが語られるだけである。当初、天を舞う大蛇をそのモチーフとして使う意図だったように推測するが、それはほんの末節に過ぎない。 こういうところにも小説としてのバランスの悪さを感じてしまうのだ。

Posted by ブクログ

2003/03/31

W県紫野村へ死に場所を求めて訪れた私はそこでオランジュ城に住む耀子からある仕事を依頼されたという一尺屋に出会った。 一尺屋の勧めるまま影平邸(オランジュ城)を訪れた私は25年の不可思議な事件を聞く。そして第一の殺人事件が起こった。 トリックに無理があります!絶対にあんな場所に刺...

W県紫野村へ死に場所を求めて訪れた私はそこでオランジュ城に住む耀子からある仕事を依頼されたという一尺屋に出会った。 一尺屋の勧めるまま影平邸(オランジュ城)を訪れた私は25年の不可思議な事件を聞く。そして第一の殺人事件が起こった。 トリックに無理があります!絶対にあんな場所に刺さるのは無理ぃぃっ! 暗闇坂に匹敵しますよ(笑) でもこの作品は一尺屋シリーズの中では一番好きかも。 何故か惹かれるのよね。こーゆー色の作品は。やっぱり横溝的だからだろーなぁ。

Posted by ブクログ

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