アクト・オブ・ケアリング ケアする存在としての人間

M・シモーヌローチ(著者), 鈴木智之(訳者), 操華子(訳者), 森岡崇(訳者)

• 販売会社／発売会社: ゆみる出版/
• 発売年月日: 1996/07/15
• JAN: 9784946509056

商品レビュー

2014/12/29

ハイデガーが『ケア』に関して言及するという事実を知れただけでも収穫。

●以下引用

ケアリングは、人間存在が世界内存在となるための手段であり、媒体であり、様式である

→これはデザインとかアートにも通ずる話であると思う。「関わる」ために、個としての存在は、他に応じて変容出来るのだろうか。

ケアの機会はちょっとした微笑み、助けの手をあしのべること、はげましの一言、共感の表現、そして時には人を咎めることでも

ケアすることと、自分の居場所をみいだすということ、この二つは、人間の条件を考える上での大きな示唆

特定の他者に対してケアをすることによって、ケアリングをすることを通じて、その人々を援助することによって、人はこの世界の中で真に安らぐことが出来る

ケアリングは他者を成長させる

ハイデガー：存在するとはケアすること。実在性をケアと解釈している。

人にとって存在することの意味はケアすることにある

ケアをするとき、人はその対象を愛するのである

ケアをするということの内には、自分自身のために引き出しうることばかりでなく、他者の善に対する真摯な願いが含みこまれている

ケアをすることは他者の体の内に飛び込むことを意味する。気持ちや心持ちで他者になることであり、他者にとって大切なものを愛することである。

ケアリングは関わりつつ生きることを意味する

★人間存在は、「交点」、「現在の目に見える世界と聖なる魂の目に見えない世界とがひとつの本質のうちに溶け込んだもの」

どのような人間の中にも、自分自身にさえ踏み込むことのできない神秘的な何かが残されているのだ

私がそのためにあるいはそれに対して世話をしたり、気にかけたりするものの価値は、満足感それ自体にではなく、私が世話をし気にかけているものの中に存在する

ケアリングは人間の存在様式である