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近代日本のメディア・イベント
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 同文舘出版 |
発売年月日 | 1996/07/19 |
JAN | 9784495862817 |
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近代日本のメディア・イベント
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新聞の社会的影響力は、紙面での言論活動よりも、イベント、事業活動の方がはるかに大きかったのではという指摘に目からウロコ。満州事変の辺りから新聞は戦意高揚ムーブメントに率先して関わったが、国民に影響を与えたのは、紙面上の言論や報道ではなく、ニュース映画上映会、講演会やキャンペーンな...
新聞の社会的影響力は、紙面での言論活動よりも、イベント、事業活動の方がはるかに大きかったのではという指摘に目からウロコ。満州事変の辺りから新聞は戦意高揚ムーブメントに率先して関わったが、国民に影響を与えたのは、紙面上の言論や報道ではなく、ニュース映画上映会、講演会やキャンペーンなどのイベントだった。あんな小難しい記事で大衆が動かされるものかなとうっすら感じてはいたけど、やっぱりお祭や景品の力だったんだなとスッキリ目が覚めました。 今は新聞社にお金がなくなって、景品で釣って契約させようという従来の手法ができなくなり、少し前から「紙面で勝負」ってことになってるんだけど、実際は全然上手くいってないのもよくわかる。ネットニュースより質が高いとか信頼できるとか高尚なフリをやめて、山っ気のある興行師に立ち返ることの方が、新聞再生の第一歩につながるのかもしれない。 全12章のうち、ラジオを扱った2つの章以外はほとんど新聞の話。第3章、今でいうとゲームみたいな野球の大人気を新聞拡販に利用しようと企む朝日新聞。ただ「野球は害毒」キャンペーンを張ってるもんだからそのままではマズイと、野球が輸入された最初期の、武士道精神にのっとった「一高野球」を模範に全国大会を主催する。高校野球は最初から、建前で本音を徹底的に隠すことでこれだけ長く人気を保ってきた。朝日新聞だけでなく、私たち日本人がそうだってことだろう。 第4章、ラジオ体操が国家総動員体制を象徴する身体運動となっていく。って箇所の切れ味の鋭さ。 第5章、柔術を柔道というスポーツに近代化した嘉納治五郎の話。「武術の近代化とは、技を理論化し、説明可能なものにしたこと、モチベーションを高める段級制の導入、講道館を道場でなく、財団法人という近代的な組織として発展させたこと、試合のルールと審判規定を確立したこと、柔道を学ぶことの精神的な意味を強調したこと。」ここすごく面白い。 第8章、NHKの普及活動、農村の青年の間では当時詩吟が流行ってたというところにへぇ。 第9章は大阪毎日新聞の事業といえばこの人、本山彦一の話。阪急の宝塚少女歌劇とのタッグが面白い。初代事業部長・橋詰せみ郎がキーマン。ちなみに第1章では興行師・正力松太郎について少しだけ触れられており、後で調べなくては。 第10章の美術展と大阪朝日新聞、第12章の音楽と各新聞社との話も非常に興味深い。コンサートホールと懸賞歌については朝日、音楽コンクールについては時事新報と毎日が取り上げられてるが、この頃の新聞社がパワフルでイノベーティブだったってことに感じ入る。 松岡正剛の千夜一夜にあったのでリンク。 https://1000ya.isis.ne.jp/1017.html
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