- 中古
- 書籍
- 文庫
異人論 民族社会の心性 ちくま学芸文庫
定価 ¥1,210
990円 定価より220円(18%)おトク
獲得ポイント9P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1995/06/09 |
JAN | 9784480082183 |
- 書籍
- 文庫
異人論
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
異人論
¥990
在庫なし
商品レビュー
3.9
10件のお客様レビュー
ちくま文庫 小松和彦 「 異人論 」 文化人類学の本。異人や妖怪に関する民俗伝承から 民俗社会の心性を抽出した本。中沢新一 氏の解説も本編理解を深めている 主な内容 *異人殺しの民俗伝承から、異人を見る民俗社会の心性を分析 *折口信夫のマレビト概念の文化人類学への利用 *異人...
ちくま文庫 小松和彦 「 異人論 」 文化人類学の本。異人や妖怪に関する民俗伝承から 民俗社会の心性を抽出した本。中沢新一 氏の解説も本編理解を深めている 主な内容 *異人殺しの民俗伝承から、異人を見る民俗社会の心性を分析 *折口信夫のマレビト概念の文化人類学への利用 *異人を妖怪視する意識を分析し、妖怪論を展開 日本の神について、折口信夫と柳田國男の違い に納得 異人殺しのフォークロア *異人=六部、座頭、山伏、巫女など 殺された来訪者の伝承の研究〜来訪者に対する定住者の意識(民俗社会の心性)の研究 *異人を神と重ね合わせる観念が衰退→民俗社会の心性として、異人殺し伝説を神霊虐待伝説へ変形 *民俗社会は 社会の生命を維持するために 異人を吸収したのち、社会の外に吐き出す 折口信夫マレビト概念=折口信夫にとっての日本人の神 *神話としてのマレビト=常世から来訪して祝福をもたらす神 *歴史としてのマレビト=神を背負って村に祝福をもたらす神人 折口マレビト概念を人類学で利用するために 2つのマレビト概念を分離独立させ、負のマレビト(災厄をもたらすものとして 排除される異人)を加える 妖怪論 *災いをもたらす神も神→祀られている超自然的な存在は 神→祀られていない超自然的な存在は 妖怪 *妖怪の背後に 人間(異人)が存在=異人を妖怪視する意識 解説 中沢新一 *物事は必要に応じて用途を変える *学問に所有権など存在しない〜これは私が発見したことということは 人知を超えた真理を目指そうとする学問にとって 無意味 *よい学問は たくさんの知性〜お互いのアイデアを贈与しあうときに生まれ出る
Posted by
葬送儀礼に蓑笠が用いられることについての解説が興味深かった。 死者が装う場合と、葬列の参加者が纏う場合があるようだというのも初めて知った。 蓑笠については、中近世の百姓一揆の際に身に着ける人がおり、それについて社会的役割や人物の特定を難しくする「隠れ蓑」として機能していたという説...
葬送儀礼に蓑笠が用いられることについての解説が興味深かった。 死者が装う場合と、葬列の参加者が纏う場合があるようだというのも初めて知った。 蓑笠については、中近世の百姓一揆の際に身に着ける人がおり、それについて社会的役割や人物の特定を難しくする「隠れ蓑」として機能していたという説も紹介されている。 言及されてはいないが、このあたりを読むと「じゃあ、昔話の笠地蔵って・・」と思う。 笠と蓑を身に着けることにより、石の像に異界から菩薩を招来したということなのだろうかと思ったりする。 それ以外の論考も私にはかなり難しかったが興味深いものが多かった。
Posted by
「異人殺しのフォークロア」はずっと読んでみたかった話。すげー闇深いな...。日本昔ばなしで見たような「旅人を泊めたら、次の日大量の財宝が!」って話が「異人殺し」という忌まわしい要素を抹殺するために作り変えられた「異人歓待」モノだったという説は目からウロコ。 訪れた異人に対してコミ...
「異人殺しのフォークロア」はずっと読んでみたかった話。すげー闇深いな...。日本昔ばなしで見たような「旅人を泊めたら、次の日大量の財宝が!」って話が「異人殺し」という忌まわしい要素を抹殺するために作り変えられた「異人歓待」モノだったという説は目からウロコ。 訪れた異人に対してコミュニティは門戸を閉ざすのではなくて、コミュニティを維持させるための装置として利用する。内部の特定の家を殺すために、異人殺しの罪を擦り付けて、祟りを発生させる。内部での差別の辻褄合わせとして犠牲になる異人。どこまでも差別的で鳥肌が立つ。 伝説は民族社会の具体的な事象を語る、つまりは表層の現実を語る。一方、昔話は抽象的な事柄を語る、つまりは深層の現実を語る、というのがタメになった。 「妖怪と異人」は、著者の河童考を他の著書で読んで感動したので詳しく知りたいと思って読んだ。 河童=川の民=穢多、非人、河原者という定義はかなり好きだ。山姥=山の民も、金銭を要求する山姥がいたということは、経済活動を必要とする異人が山の中に存在したということという説明でゾッとした。異形の者や被差別者を妖怪視するって中々グロテスクだけど、今の私たちの心にもまだある。差別意識根深〜。
Posted by