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今かくあれども
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 1995/02/09 |
JAN | 9784622045908 |
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今かくあれども
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
メイ・サートンの日記は邦訳されたものは全部読んでいるが、小説は初めて。でも日記形式の小説のせいかサートン自身との強いつながりを感じさせるもので、面白かった。 主人公カーロは女性ながら教育を受け、数学教師として生きてきた独身貴族。心臓発作で一人暮らしを断念して兄夫婦のもとに身を寄せるが、義嫁とそりがあわずに劣悪な環境の老人ホームへ転居することになる……というところから始まる。カーロは美人で気が強く、そして内省的な女性だ。 「どんな逆境にあっても、成長と自覚の内に私が保つべきなにか」である魂を守るために日記を書き始めるが、虐げられて尊厳を奪われ、ただ死に向かうだけの状況で保つべきものとは何なのか、彼女は大きく揺らぎ、希望と絶望を行き来し、破滅的な結末へ向かう。 はっきり言ってカーロは人好きのする女性ではないと思った。日記では「あなたはこんな場所にいるべき人間ではない」と言われた話が繰り返し出てくるが、他のブルーカラーで教養のない入居者たちはこんな場所で朽ちて当たり前と思っているし、職員の親子も見下している。それを見透かされているから嫌われているが、プライドが高く老いのためにすぐ泣くし、時に癇癪を起こす。最後の選択もとても独善的。 でもそんな嫌な自分の大波にもまれながら「魂」を保ち、この環境に反旗を翻そうと戦い続ける彼女の内省の記述はとても面白いのだ。好意と同情を持って手を差し伸べてくれる人に対して、老人が泣いて縋り付けば相手を動揺させるだろうし、救う手立てもないのだから、と悟って自分を必死に抑えるところなど、カーロらしい気高さを感じるところである。 老い、死、絶望、その中で自分を保つとは何なのか、複雑なリアリティをもって迫ってくる小説。他の小説も読んでみたい。
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メイ・サートン。老人ホームに入れられた老女の手記。 その存在が大き過ぎて、いざ実物を目の前にすると、普通にしてしまうという感覚が共感できた。 老年になった時慰めというかおそらく支えになる思い出がその時の私にはあるだろうか。というのは思い出せないんじゃないかと思う。そうしたら私に残...
メイ・サートン。老人ホームに入れられた老女の手記。 その存在が大き過ぎて、いざ実物を目の前にすると、普通にしてしまうという感覚が共感できた。 老年になった時慰めというかおそらく支えになる思い出がその時の私にはあるだろうか。というのは思い出せないんじゃないかと思う。そうしたら私に残される手段も目の前のこと、感じたこと考えたことをそのまま書くことだけになるのだろう。 古本だったので前の持ち主の書き込みがあったけど、自分のポイントとはやはり違うところに線がひいてあったりして興味深かった。20110807
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