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ピアノ・レッスン 長編小説
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 学樹書院/ |
発売年月日 | 1995/07/20 |
JAN | 9784906502042 |
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ピアノ・レッスン
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
物語を紡ぐピアノの旋律が鎮魂歌に聴こえた。 荒涼な南国へ娘と嫁ぐエイダは、言葉をもたない代わりにピアノで心情を奏でる。 隣人の男との不貞なピアノの取引が開放の助走に。 エイダの情念を活字で解釈する事で、映像が鮮明になった。
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こんなの読んだから、私にとってニュージーランドは愛の流刑地。 1993年の名作映画のノベライズ版。R15指定です。 ひとりの女のだらしない愛の物語である。ゆえに賛同できる人と拒絶する人の両論が出る。つまりその点で良い作品の条件を満たしている。 最後が個人的に好みじゃないから★4つ 「意志」が一つのテーマなのだろうが、「意地」じゃない? 意志は前を向いて進んでいく力で、意地はその場に張り付いて動かないよう耐える力。エイダは前を向いているようには見えない。 ・声を出せなくなったのも父への反抗が意地になっているだけ ・スチュアートを愛せないのも彼が自分のピアノをぞんざいに扱ったことへの意地 ・ピアノに執着するのも、周囲に馴染めない自分が他人を必要としないでいられるための意地 ・指を切られても痛くないのも意地 エイダは自分の「意地」を怖いと思っている。そこは大いに共感できる。 意地を張ると、自分の思ってみないほどに事が大げさになってしまうことがある。 ex)親が欲しいもの買ってくれないから駄々をこねて親を無視し続けたら、夕飯抜きになるは、布団で寝かせてくれないは、あげく教育方針で親が喧嘩しだすは、、、意地張ってたのが簡単に謝ってすむ問題じゃなくなることがある。 エイダの意地は周囲を巻き込んで、どんどん自分の孤立を際立たせていく。もしかしたらエイダはそれを望んでいたわけではないかもしれないのに… はたしていつからこんなことになってしまったのだろうか… 私は男だけど、女ってこういうことが起きるんだろうな。 なぜか前向きに考えられないようにできてしまっているのかもしれない。 そういうとこ理解してあげよう。「赦す」ことのできる大きい人になろう。 そう思いました。 ___ あとがきにもあったが、これは映画の公開後にジェーン・カンピオン監督とケイト・プリンジャーで再編纂されたストーリーである。 だから、物語の背景が詳しいくなっていたりして、映画で見たことのある人でも楽しめるようになっている。 また、少し終わり方も違う印象だね。文章でエピローグを書かれちゃうと、本当は死んでいるんだけど…的な深読みができなくなるね。 読みながらナイマンの音楽をBGMにしていたのでとても心地よかったです。
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女性映画監督、ジェーン・カンピオンの作品として話題になった映画を、監督と作家プリンジャー、女性2名で小説化したもの。 映画公開時から気になっていましたが、観ずじまいでした。 それは、ピアノを弾いている身にとっては気になるタイトル(原題は「Piano」)でありながら、浜辺に置かれた...
女性映画監督、ジェーン・カンピオンの作品として話題になった映画を、監督と作家プリンジャー、女性2名で小説化したもの。 映画公開時から気になっていましたが、観ずじまいでした。 それは、ピアノを弾いている身にとっては気になるタイトル(原題は「Piano」)でありながら、浜辺に置かれたグランドピアノとヴィクトリア朝のぴっちりした堅苦しいドレスを着込んだ女性というアンバランスさに違和感を持ったからです。 マオリ風の刺青を顔に施した男性とピアノを弾く女性など、どの映画スチール写真を見ても、どこか不均等で不安感をあおるようなものばかり。 ピアノがモチーフではあるものの、自分が好きな話ではないだろうと思っていました。 本になっていることを知ったので、読んでみましたが、予想通り、何とも言えない強烈な世界。 口がきけず、ピアノで自分を表現しているヒロイン、エイダの激しさに圧倒されます。 彼女と娘が足を踏み入れたのは、未開の地ニュージーランド。 文明から隔絶されたような、荒々しい自然が彼女たちを待っていました。 19世紀のスコットランドとニュージーランドでは、言葉こそ共通だったものの、自然環境も生活環境も、人の考え方も全く違ったことが伝わってきます。 マオリ人とヨーロッパ入植者の住むニュージーランドはまだ開拓中の新しい土地で、心の余裕なく暮らす夫は、ピアノが妻となる女性の半身だということを理解できず、せっかく遠路はるばる運んできたピアノを、運べないからと、浜辺に置き去りにします。 もう、その時点で、会ったばかりの夫婦間の信頼関係は絶望的なものに。 妻の持参したピアノを港に置き去りにする夫は、エイダならずとも信じられません。 ピアノを弾く人ならば誰でも、納得できない場面です。 エイダ、夫、ピアノを所有するベインズと、誰もが自己中心的で、我を崩さない頑なさを抱えています。 その膠着した関係を崩すのが、ベインズの優しさ。 彼がピアノを通して、エイダに恋に落ちたため、恋する者の必然として譲歩的になります。 教育を受けておらず、字も読めないベインズは、愛情を伝えるのもとても下手ですが、口のきけないエイダと本能的に分かり合うようになります。 逆に、喋ることも、字の読み書きもできる夫スチュワートが、一番他人とうまく交流できていないというのが皮肉的。 人物の感情を絡めて話は激しくうねっていき、そして悲劇が訪れます。 楽器を海水につけるだけでも憤慨ものなのに、最後に夫が激情に駆られてエイダの指を切り落とすとは、あまりに残酷。 これは、ピアノを弾く読者の神経を二重に逆なでする展開です。 女性の目線からの、どろどろした情念を描きたかったのかもしれませんが、私には重すぎました。 エイダはなぜ、最終的にピアノを海中に沈ませたのか、わかりませんでした。 自分も一緒に死ぬつもりだったのを、ベインズと生きることにしたからでしょうか。 指に義手をつけ、ピアノの演奏を再開したというハッピーエンド(おそらく)で終わります。 それでも、ピアノは繊細に弾きこなせないはずですし、元の夫の心は壊れてしまったことでしょう。 恐ろしい話だと思いました。 自然と文化の全く異なる場所へ行く時には、よほど覚悟が必要で、訪れる側も迎える側も、互いを認め受け入れる努力が必要ですが、それを一切やろうとしなかった男女のぶつかり合いが、痛々しかったです。 ただ、鍵盤を外して、そこに愛のメッセージを彫るというのはすごくロマンチックで、憧れました。 英文のペーパーバック版も持っていますが、読み通す自信は今のところありません。 内容的に、こちらの日本語版だけで、もうおなかいっぱいという感じです。
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