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小説家のメニュー 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1995/11/18 |
JAN | 9784122024649 |
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
とても読みやすい文章の奥に、味わってきた人生の深みが感じられて面白かったです。山菜採りのお話で、山菜採りをされるご夫婦が三度の食事の際には鯨の脂身を味噌汁に入れて栄養不足を補う、というくだりがあり、このお話ひとつで(その時代の)山菜採りが過酷な環境だったんだなと想像ができ、また全...
とても読みやすい文章の奥に、味わってきた人生の深みが感じられて面白かったです。山菜採りのお話で、山菜採りをされるご夫婦が三度の食事の際には鯨の脂身を味噌汁に入れて栄養不足を補う、というくだりがあり、このお話ひとつで(その時代の)山菜採りが過酷な環境だったんだなと想像ができ、また全編を通して、人間への厳しさと優しさにあふれているなと感じました。これから市場で山菜をみかけたときはこのお話を必ず思い出してじわっとくる、そんなお話です。
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美味・珍味ここまでは一般的な味の表現。奇味・怪味・媚味・魔味・幻味・幼味・妖味・天味は読んで納得。なんとなくわかる。
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- ネタバレ
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昭和末期の文豪の食エッセー。辺見庸の『もの食う人びと』ほどのこだわりもなく、平野紗季子『生まれたときからアルデンテ』のような感性の瑞々しさもない。もう出来上がった作家が過去の想い出と共に気楽に筆を走らせた程度の内容だ、とは言いすぎか。 ベトナム従軍の遺産で喰ってきたわけでもないとは思うが、ベトナム、アジア界隈の話はもう然程珍しくもない。あとは釣り人として全国、世界を巡った時の話か、作家協会かなにかの物見遊山なツアーの時の想い出話か。四半世紀前と今では情報量がやはり格段に違うのだろう。昭和はこの程度の話でも読者は「世界を知った」気にもなったのだろうか(なったのだろう。社会に出る前の自分なら面白おかしく読んだだろうと思う)。 ロシアの話もチラホラ。当時はソ連時代末期、物不足でどこもかしこも行列だらけだった。何が売られているのか気になる著者は”何の行列ですか?”というロシア語を通訳かガイドのロシア人に教えてもらおうと尋ねる。すると、こんな答えが返ってくる。 「それより、もっといい言葉がありますよ。クトー・パスレードニっていうんです」 特にそれ以上の言及がない。これ、アネクドート的というか諧謔の意味が含まれている点、著者は分かってないんじゃないかなあ。「誰が(この行列の)最後ですか?」という意味だが、ガイドの日本語もたどたどしかったとは思うが、”もっといい言葉がありますよ”の言外には、「みんな何の行列か分からず並んでいます、そんなことを聞いても意味がないので、そういう場合は、クトー・パスレードニ(誰が最後尾?)とだけ訊いて、黙って並びましょう」ということだ。向こうでは割と耳にするちょっとした有名な小話の類でもある。 なんとなく、そんなナマハンカな体験談を語られてしまっては、他の国のエピソードもその程度のことなのかなと思ってしまう。壇一雄の『壇流クッキング』のロシアにまつわる記述のほうが、よほどロシアの郷土、産物への造詣が深く情報としても面白かったなと思う。 ”「松阪牛とマツタケだけで、すき焼きするから食いにこないか・・・」 などとどこかから誘いがかからないかと、意地汚く心待ちしているところだ・・・・。 ” こんな記述も、高いものが一番旨いと言わんばかりで、なんだかなあ…。重ね重ねこの四半世紀で日本は豊かになり世界中の食材、美味珍味が手に入りやすくなってしまったと隔世の感を覚える。 逆に今なら、よほど変わった肉か、あるいは奇抜な食材の組み合わせを提示しないと、こんなタイトルのエッセイを出せやしないよなと思う。 ただ、本書を締めくくる最後の食材(?)が「水」というのはいいと思う。しかも山奥の清流だ。贅沢に目が眩んだ書斎に籠りっきりの作家ではないという真骨頂部分かと。 「単に純粋というだけではダメなのであって、なにものか異物がプラスされて初めて、味という不思議が生まれてくるのである。」 修羅場を掻い潜ってきた作家の”OPA!”な言葉だ。
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