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夏と少年の短篇 ハヤカワ文庫JA
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商品詳細
内容紹介 | 内容:私とキャッチ・ボ-ルをしてください.夏はすぐに終る.あの雲を追跡する.Which以下のすべて.おなじ緯度の下で.永遠に失われた.エスプレッソを二杯に固ゆで卵をいくつ? |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 1995/04/15 |
JAN | 9784150305048 |
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夏と少年の短篇
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夏というフレーズがすごく好きで、表紙にもぐっときて手に取った1冊 片岡義男さんは、この本を読むまで知りませんでした。 高校3年生の夏期講習に合宿で行った際に大型書店で平積みになっていたのを手にしました。 季節が夏ということもあり、あっという間に片岡ワールドに引き込まれ、この...
夏というフレーズがすごく好きで、表紙にもぐっときて手に取った1冊 片岡義男さんは、この本を読むまで知りませんでした。 高校3年生の夏期講習に合宿で行った際に大型書店で平積みになっていたのを手にしました。 季節が夏ということもあり、あっという間に片岡ワールドに引き込まれ、この後、片岡作品を読むきっかけにもなった1冊です。 今、こんな時間が過ごせたら、遠い夏の記憶を手繰り寄せることができる作品 少年、少女から大人への一歩、そんな季節を思わせる7編の短編集からなる1冊
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17才から18才の少年と少女にとって夏は特別の季節だ。夏の間に、少年と少女は大人への第一歩を踏み出す。初めて自らの意志で理想の異性を意識することによって。梅雨のあいま、本格的な夏、そして晩夏。それら夏の独特の時間の中で、ほとばしる少年と少女の繊細な官能性のすべてを、さわやかに、端...
17才から18才の少年と少女にとって夏は特別の季節だ。夏の間に、少年と少女は大人への第一歩を踏み出す。初めて自らの意志で理想の異性を意識することによって。梅雨のあいま、本格的な夏、そして晩夏。それら夏の独特の時間の中で、ほとばしる少年と少女の繊細な官能性のすべてを、さわやかに、端正に表出した片岡義男の青春小説集。「私とキャッチボールをしてください」「永遠に失われた」など清冽な7篇を収録。(文庫本裏表紙より) 私とキャッチ・ボールをしてください 夏はすぐに終る あの雲を追跡する which以下のすべて おなじ緯度の下で 永遠に失われた エスプレッソ二杯に固ゆで卵をいくつ? 解説(赤瀬川 隼) ----- 夏という季節の透明感にあふれ、その中でもはや失われてしまった虚構としての少年と少女の一瞬が、日焼けした肌の上の水滴のように光っている作品集。 片岡義男という作家のことは昔の角川文庫のキャンペーンなどで知っていたが、「なんとなくお洒落でトレンディ(死語)な小説を書く人」という認識しかなく、というよりもその頃はそういうものを毛嫌いしていたので、手にとることはなかった。そんな僕が片岡作品にハマッていくきっかけになったのがこの短編集だった。 最初に読んだのはもう10年以上前、新聞の新刊広告で見かけたのだが、もともと「少年」というキーワードが大好きで、このタイトルがあまりにも簡素で美しかったので記憶に残っていたところ本屋で偶然見つけ、表紙のイラストがずっと昔の中学生向け雑誌(「中2コース」とか)の挿絵みたいなかんじでこれまた印象的で思わず購入した。 そして最初の一篇「私とキャッチボールをしてください」で一発KO、片岡ワールドへとハマッていくことになった。 片岡義男=お洒落トレンディと思っている方(僕もそうだった)にこそ読んでほしい。今はハヤカワ文庫で手に入るはず。 とくに「私とキャッチ・ボールをしてください」「あの雲を追跡する」「おなじ緯度の下で」の3篇が非常によい。読み返すたび、ラストシーンで呼吸が止まるようだ。 再読 19950619 19960714 19990823 20000715 以降多数 夏になると決まって読みたくなる。そして何度読んでも完璧な夏の一瞬がここにはある。強い日差しに白く輝き、湿気を含んだ風に吹かれ、透明に輝く、もはや完全に失われてしまった、夏の光景。 --- ★10 完璧という言葉はこの作品にこそふさわしい。夏の午後の暑さに軽く汗ばみながら読む至福はこのうえない。 --- 20220725 追記 「夏はすぐに終わる」 高校を卒業した同級生が久しぶりに再会して和食屋で昼食を食べるだけの話なのになんでこんなにいいのか きらめくような夏の青空 湿度 料理は種類だけで料理そのものの描写はないのになんともおいしそうに感じる ふたりのあいだに恋愛感情はない でも信頼とか友情みたいなものはある 「なにかあったらまっさきに私にそうだんするのよ」 別れ際に向き合うふたりにそこはかとないエロス 二ヶ月後に再び会って日本海の海辺へ行く約束 そのときにふたりの関係は少し変わるのだろうか? --- 20220726 追記 「あの雲を追跡する」 まさに完璧 本当にきらめくような夏空の下で高校生男女の息苦しくなるほどの叙情性と官能性 暑い夏と冷たいプールの対比 亜紀子の完璧な水着姿 裕一に向かって「入ってきて」と何度か呼びかけるところはおそらくエロスとしての意味合いを含ませているだろう(片岡なら絶対にそうだと思う) この透明な感覚を描けるマンガ家も今ならいるはず そんなマンガを読みたい 砂浜で目覚めた裕一はこれ以上を望んではいけないと思う そこには亜紀子へのほのかな想いもあるように感じる 新学期に彼女が自分にさほど興味を示さなくてもそれはそれでいいのであり、今この瞬間に完結した完璧さのみで満足すべきだ、と 語りは三人称だが描写されるのは裕一の内面だけで亜紀子の心中はわからない そこがいい なんとも切ない 青春だなあ ここで亜紀子の心情を何かの行動で示唆することもできる でもそれをしない してほしい気もする うーむうまい これも「夏はすぐに終わる」と同じでふたりの間に明確な恋愛感情は描かれない でもなんとなくそれを予感させる こういう絶妙な雰囲気がいいのだ 前半では「ふたりだけの秘密」、「入ってきて」と思わせぶり(?)な発言の亜紀子だが、後半では? 砂浜で一晩を過ごすことを提案したのも亜紀子たが。これ、バージョン違いが読みたい。「七月の水玉だった」みたいな官能性を含んだような。
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