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中世成立期の軍制と内乱
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中世成立期の軍制と内乱

福田豊彦(著者)

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中世成立期の軍制と内乱

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 吉川弘文館/
発売年月日 1995/06/01
JAN 9784642027472

中世成立期の軍制と内乱

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2022/05/07
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当時(10世紀)は律令制度の崩壊期にあたり、諸国の年貢は一旦中央に集めるという大原則をその国家の上流階級自らが崩していこうとしていた。さらに俘囚(投降蝦夷)を内地に軍事力として配置したことがさらに混乱を呼ぶ。正規徴税ルートの無力化、蛮族国内化の失敗、いずれも中国でもローマでも見られた現象。 地方は地方で武装するしかなかった。となると有力者間の摩擦・対立が武力衝突に発展することも増え、それはまるでヤクザの抗争のように恨みが蓄積した形で続いていく。平将門の乱も、常態化した武力衝突が偶発的に広域反乱に発展したものと考えたほうが良いのだろう。 平将門の乱は関東地方の偶発的反乱に過ぎなかったが、西の交通路に位置する群党、瀬戸内海の藤原純友がこれを好機と蜂起したことで国家的な危機に発展する。唐は黄巣の乱で全国統治の力を失い、新羅もすでに崩壊していた。しかし、京都の中央貴族たちはこの危機を乗り切ることに成功する。偶発的反乱ゆえに足許が固まらない将門には藤原秀郷ら地元の反対勢力を差し向け、東を鎮圧した後に西に向かう各個撃破作戦が奏功した。 この結果、源経基や平貞盛らの一族が「都の武者」つまり藤原摂関家ら権門の番犬として活躍するようになる(中央軍事貴族)。地方でも荘園を権門に寄進して権益を守ろうとする動きが強まり(荘園公領制)、武力と財力を高めた皇族・貴族・寺社による王朝文化が花を開く。中央軍事貴族が地方で荘園の治安を守る武者たちと累代の関係を構築し、平氏・源氏による武家政権が誕生するまでには200年かかるのだが、唐や朝鮮半島のように一気に王朝を崩壊させるのではなく、古代律令国家を時間をかけて換骨奪胎していったところに日本の歴史の面白さがあるのだと思う。

Posted by ブクログ

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