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古代中国の刑罰 髑髏が語るもの 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1995/07/25 |
JAN | 9784121012524 |
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古代中国の刑罰
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
古代中国には、ヨーロ…
古代中国には、ヨーロッパと比べて残酷な処刑法はありませんでした。神がいるヨーロッパと、神のいない中国の比較が非情に興味深かったです。
文庫OFF
洛陽南郊にある後漢時代の墓坑から出土した労役刑徒たちの多数の髑髏、埋葬者の履歴・刑名を刻んだ磚。 西安郊外にある前漢景帝の陽陵付近から出土した刑具をつけた白骨遺体。 湖北雲夢県睡虎地出土の秦代官吏の遺骨とおびただして竹簡。 本書はこれらを地下からのメッセージとし、春秋公羊伝の伝義...
洛陽南郊にある後漢時代の墓坑から出土した労役刑徒たちの多数の髑髏、埋葬者の履歴・刑名を刻んだ磚。 西安郊外にある前漢景帝の陽陵付近から出土した刑具をつけた白骨遺体。 湖北雲夢県睡虎地出土の秦代官吏の遺骨とおびただして竹簡。 本書はこれらを地下からのメッセージとし、春秋公羊伝の伝義「春秋の義」を鑑に、秦漢時代の刑罰がいかなる体系をもち、いかに執行されたかを明らかにし、さらに西欧と中国の刑罰の差異にも及ぶ。
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二十世紀後半以降、中国での発掘調査が進んだ。 本書は、その成果の一つ、洛陽南郊の集団墓地に埋葬された労役に就いた囚人の骨の話に始まる。 本書で扱う「古代中国」というのは、秦漢時代。 漢の呂后が戚夫人にしたこと、油で煮られた武将、切り刻まれて塩漬けにされた子路などの霊から、やはり...
二十世紀後半以降、中国での発掘調査が進んだ。 本書は、その成果の一つ、洛陽南郊の集団墓地に埋葬された労役に就いた囚人の骨の話に始まる。 本書で扱う「古代中国」というのは、秦漢時代。 漢の呂后が戚夫人にしたこと、油で煮られた武将、切り刻まれて塩漬けにされた子路などの霊から、やはり当時の刑罰は残酷なものではないかと思っていたが。 権力者が見せしめとして行うものと、法に基づいて執行する刑罰とはかなり趣が違うらしい。 刑罰の多くは罰金に置き換えができたり、労役が多かったりするらしい。 死刑にしても、苦痛が大きい腰斬を取るのは大逆不道罪くらいだという。 意外、と思う一方で、考えてみれば、そうだな、と納得する。 筆者は、残虐な刑罰が入ってきたのは、異民族の征服王朝の影響だという。 唐代までは、法律として残虐な刑罰を定めたものはないからだという。 漢代は儒教を国教化した時代でありながら、実際に国を動かしたのは秦代に確立した法に基づく統治。 肉刑(身体への刑)は五種に分かれる。 黥刑、劓刑、刖刑、宮刑、死刑の順に、刑が重くなる。 筆者は、これを「追放」の程度の差による体系と読み解く。 黥刑は、異民族の習俗である入墨を入れることで、漢民族からの追放を意味する。 劓(はなそぎ)、刖(あしきり)は、身体を損なうことで共同体からの追放の初段階という意味合いがあるらしい。 宮刑は生殖機能を損なうことで、動物界からの追放、死刑はもちろん、生物界からの追放となるという。 宮刑についても、本書でかなり認識が変わった。 この刑は女性に対しても適用されることがあったという。 実際に生殖器を損傷するという説もあるそうだが、筆者は幽閉だと考えているようだ。 残酷な描写がたくさん出てきたら嫌だなあ、と思いながら手にしたが、それほどでもなくてほっとした。 一つの社会のあり方に対する観点として刑罰はある。 そんなことを考えさせられた一冊だった。
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