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「在日」という根拠 ちくま学芸文庫
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「在日」という根拠 ちくま学芸文庫

竹田青嗣(著者)

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「在日」という根拠 ちくま学芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 1995/08/07
JAN 9784480082213

「在日」という根拠

¥825

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2020/08/30

在日という形で生きている人々がいます。時に差別され、追いやられ、生きる場所を奪われてる人たちもいます。血は祖国のものだが、日本という地で生きることを選んだ人たちは、二重の苦しみにさらされる。祖国を離れることで生まれる距離感、生きる場所として飛び込んだ先に起こる差別や偏見。なかなか...

在日という形で生きている人々がいます。時に差別され、追いやられ、生きる場所を奪われてる人たちもいます。血は祖国のものだが、日本という地で生きることを選んだ人たちは、二重の苦しみにさらされる。祖国を離れることで生まれる距離感、生きる場所として飛び込んだ先に起こる差別や偏見。なかなか大きな問題であり、ずっと戦後の時代から在り続けた問題であります。仲間という枠で守られる生活と、異国の地で相手に受け入れてもらう為に、屈折した思いの中で生きる生活。日本人であることはアジア人でもあり、大国であった中華の国々の文化は、日本文化の礎ともなっている。昔は、何につけても遅れていた大和の国を先導してくれた恩人だった朝鮮人。今では用無しだとアジアの先進国としてその他のアジア人を切り捨てるのは、あまりに薄情だと云える。国をまたいで生きる人々の苦しみを緩和してあげられる体制の準備と、地に足着かない在日の方々の生き方を支援できるような体制を整える為にも、我らはもっとインターナショナルな共同体の一員であるという意識を高めていく必要がある。そのキーワードとして、クレオールやポストコロニアルという思想タームがある。日本が戦時中、アジアを我がモノにしようと体制を強めていた事実は、アジア人に歪んだ日本観を醸成させた一因だった。歴史は己にとって不都合な部分も認めることから、始めるべきである。こうあるべきだったのに、全く私は至らない姿を晒しました、と。誰もが、国という枠に支配されない、もっと自由な生き方ができる世の中にしていこう。それが今後のアジアの発展には不可欠だと思われるのだ。

Posted by ブクログ

2018/02/04

李恢成、金石範、金鶴泳といった在日コリアン作家たちの作品をとりあげ、「在日」という問題を彼らがどのような仕方で引き受けたのかを考察している本です。 著者は、李恢成と金石範に対してはやや批判的であり、金鶴泳における「在日」という問題への向き合い方を高く評価しています。とくに李恢成...

李恢成、金石範、金鶴泳といった在日コリアン作家たちの作品をとりあげ、「在日」という問題を彼らがどのような仕方で引き受けたのかを考察している本です。 著者は、李恢成と金石範に対してはやや批判的であり、金鶴泳における「在日」という問題への向き合い方を高く評価しています。とくに李恢成論は、吉本隆明が転向論において鋭く指摘したのと同種の問題を、戦後の在日コリアンにおける「民族」の問題に見ようとしているといえるように思います。また金石範についても、祖国の南北分断の固定化をねじ曲げられた歴史として表象し、彼自身のルーツである済州島の民衆のありようから「在日」の現状を批判するという彼の問題設定にある種の観念的な倒錯を読みとり、批判しています。 他方、金鶴泳にとって、「民族」をめぐる問題へ全面的にコミットすることを妨げていたのは、彼自身の世界への違和の根源となっていた吃音の問題でした。そしてこのために彼は父親から拒まれることになるのですが、そのような彼のおかれている場所が、日本社会において「在日」の置かれている不遇性に耐えつつ、暴力によって「家」をまとめるほかない父親の姿を「見る」ことを可能にします。著者は、金鶴泳の作品におけるこうした「在日」の位置づけをたしかめながら、「在日」という問題が観念的な倒錯へと陥ってしまう回路から抜け出す道すじをたどろうとしています。 哲学者としての著者は、おそらくここで論じられているような問題を「実存」という概念で整理することになるのでしょうが、作品論として展開されている著者の問題の扱い方は、彼の哲学的著作よりもずっと繊細な手つきでなされているように思えます。このことは、近代文学における「内部」と「外部」の問題の系譜をたどった論文「問題としての内面」にもはっきりと示されており、たいへん興味深く感じました。

Posted by ブクログ

2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 欧米に追いつこうと急拵えした近代日本。 いまだ重くのしかかる“家”。 その歪みの中で個人はその位置をどう見出せばいいのか―この明治以来の大問題を日本人以上に鋭く、根源的に突きつけられたのは、「在日」朝鮮人、とりわけその二世、三世たちである。 日本の戦後的な生の様式の中で、彼らの存在がはらんでいる現在的な意味を、李恢成、金石範、金鶴泳らの作品から摘出し、新たな可能性の地平へと解きひらく。 [ 目次 ] 「在日」という根拠―李恢成、金石範、金鶴泳 苦しみの由来 沈みゆくものの光景 「在日」ということ 三つの名前について 「在日」文学にみる「民族」の今―『流域へ』と「ほんとうの夏」 主観としての普通、客観としての在日―姜信子『ごく普通の在日韓国人』〔ほか〕 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted by ブクログ

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