新「超」怖い話(6) 勁文社文庫21

樋口明雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 勁文社/
• 発売年月日: 1995/08/05
• JAN: 9784766922967

商品レビュー

2021/06/15

勁文社から発刊された『新「超」怖い話』シリーズ第５弾。
1995年作品。

執筆者は、樋口明雄氏、加藤一氏、デルモンテ平山(平山夢明)氏。

今作では、第一章「とにかく怖かった怪談」、第ニ章「どうにも奇妙な怪談」、第三章「かなりヤバい怪談」という分類で章立てされています。

全体的にパンチが弱い話が多い体験談集という印象ですが、第三章に収められた中で「運搬」「皮膚」の二編が素晴らしかったです。
警察から仕事を請けることが多い葬儀屋でのバイトで、腐乱死体を回収した結果起こった体験談「運搬」。
若い自衛官が、航空機が山に墜落するという大事故でバラバラに散乱した死体を回収した結果起こった体験談「皮膚」。
どちらも怪奇体験が霞むほど、怪奇体験の原因となる仕事体験談が壮絶でした。
怪奇体験の部分を抜きにしても、ドキュメントとして素晴らしい仕事体験談だと思います。
こういった仕事をされている方々に、頭が下がる思いです。

また、「皮膚」の中で、墜落現場へと山を登っていく体験者達隊員が、山を降りてくる他の基地の隊員とすれ違う場面に、陰謀論が好きな自分としては、興味を惹かれました。

2009/01/11

【目次】
　まえがき
第一章　とにかく怖かった怪談
　十円玉／ゆきおんな／ガードレールの上／氷の下／ゴースト殺人事件／開かずの間／米とぎ／顔／遊園地／暗黒坂／火葬場二題／人氷／お見舞い／だれ？
第二章　どうにも奇妙な怪談
　鼓笛隊／こどものこと／谷中奇譚／夜逃げ霊／ドッペルゲンガー／線路に沿って／湖上の地下室／満員電車／にゃーにゃー音／火葬場の火の玉／サルベージ／天狗の貼り紙／タクシー二題／キツネ二話／心霊カメラマン／むかしむかし／ひとり多い／泣きっ面にハチな男／アレルギー
第三章　かなりヤバい怪談
　ガラスの翼／ゲートル／恐怖のエレベーター／運搬／親切心／ピータンの壺／皮膚
　解説（朝松健）