牧口常三郎の世界ヴィジョン 『人生地理学』のメッセージ

宮田幸一(著者)

• 販売会社／発売会社: 第三文明社/
• 発売年月日: 1995/11/18
• JAN: 9784476061048

商品レビュー

2016/12/16

牧口常三郎著『人生地理学』のガイド本。内容についてよくまとまっており、時代背景、学問的影響、先見性、限界についても触れている。ただし、本書ではその現代性があるかどうかの判断はつかなかった。

実にアクチュアルな著作であることが分かった。
郷土については、案外、言及がないのだな。
国家に重要性を見出すのはアクチュアリティの極致だな。カントの永久平和論的な意味でも。

・「郷土の不可思議な勢力は、われわれがいつか国家的、世界的活動をなす原動力である」。郷土の範囲については「観る人の立脚点によって異なる」。県、国、現世など。郷土観察を通じて、自然現象と社会現象についての基礎的な観念を得るという知的啓発と、慈愛、友誼などの高尚な心情の涵養とに役立つ。
・「各派、各宗の性質と地との関係よりも、むしろ主として布教に従事した高僧、また伝教者の徳望に帰依した結果」によると牧口は述べている。
・法則・秩序という知的要素と、人間の究極的無力という感情的要素の両方が宗教心を構成する要素である。
・牧口の日蓮仏法受容：三証。信仰対象が仏となるための法。仏法即世法。依法不依人。『創価教育学大系』第２巻より。
・社会進化論の採択。
・競争意識から共同意識へ。