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帰国船 楽園の夢破れて三十四年
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帰国船 楽園の夢破れて三十四年

鄭箕海(著者), 鄭益友(訳者)

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帰国船 楽園の夢破れて三十四年

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 1995/03/20
JAN 9784163500102

帰国船

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2021/12/08

1995年出版。著者はこの前年に脱北し、韓国に住んでいるという。 著者は在日朝鮮人であり、18歳の時に「帰国事業」で北朝鮮に「帰国」した。帰国後は平壌からさほど遠くない(とはいえ電車で3時間の距離だという)定州に住む。祖国で直面したのは在日に対する激しい差別と監視である。そんな...

1995年出版。著者はこの前年に脱北し、韓国に住んでいるという。 著者は在日朝鮮人であり、18歳の時に「帰国事業」で北朝鮮に「帰国」した。帰国後は平壌からさほど遠くない(とはいえ電車で3時間の距離だという)定州に住む。祖国で直面したのは在日に対する激しい差別と監視である。そんな中でも著者は「地主の子孫」だという「成分の悪い」友人と親しく付き合う(後にこの彼は「行方不明」となるのだが・・・)。しかし、ある時「日本に帰りたい」と漏らしたのを在日の知り合いに密告され、逮捕されてしまう。その後、数ヶ月にわたる獄中生活を送ることになる。その際の取り調べで、帰国後の著者の生活が事細かに調べ尽くされていたことで、自らがいかに監視の中で生きていたかを知ることになったという。   著者はその後、機械工場で技術を磨いたり、「出稼ぎ」をするために北朝鮮人は誰も行きたがらない鉱山に行って3年近く働いたりと奮闘するが、在日朝鮮人に対する差別はなくならない。1982年、金日成の誕生70周年にあたり、「隠れた政治犯行、スパイ行為」に対する「自白事業」というものが展開されたという。著者が働いている工場にやってきた社会安全部員(警察官に当たる人)は、在日である著者を名指しして「民族反逆者」だと告発した。   このようなこともあり、著者は両江道の山間地帯へと引っ越す(本来、自由な引っ越しなどは不可能だが、通常であれば「島流し」されたときにいくような場所なので可能だったのかもしれない)。そこで著者はこれまで磨いた技術で成果をあげ、「隠れた功労者称号」を授与されたのに続き、労働党への入党を果たし、さらには郡の人民会議代議員(地方議会議員に当たる)に当選する。北朝鮮の代議員には大した力はないが、政治的には評価される。しかし代議員になっても著者への監視は続いたとされる。   著者は苦難の行軍が始まった頃(とはいえ、金日成が死去した話は書かれていないので、厳密にいえば苦難の行軍は始まる直前だったのかもしれない)、あまりに苦しい生活のために中国に出稼ぎに行き、そのまま韓国に亡命する。   同書は「帰国事業」で帰国した在日同胞らのあまりに辛い生活が詳細に記されている。帰国した在日による手記はいくつもあるが、同書では著者が住む地域を変えたり、仕事を変えたり、逮捕されたりとさまざまな体験をしているため、その分、当時の北朝鮮の様子を広く知ることができる。

Posted by ブクログ

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