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完訳 カンタベリー物語(中) 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1995/01/20 |
JAN | 9784003220320 |
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
貿易商人、近習、郷土…
貿易商人、近習、郷土、医者、免罪符売り、船長、尼僧院長が話した後、作者チョーサーも一枚加わり物語を披露する。
文庫OFF
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※このレビューにはネタバレを含みます
上巻に続き中巻ではバース女房の話、托鉢僧の話、召喚吏の話、学僧の話、貿易商人の話、近習の物語、郷士の物語、医者の物語、免罪符売りの話、船長の話、尼僧院長の物語、トパス卿の話、メリベウスの物語の計13話を収録。 ・・・ デカメロンもそうでしたが、収録される話が多いと、個々の印象はどうしても薄れます。 妙な譬えですが、私、結構韓国ドラマが好きで、ネトフリで1.5倍速で『チンチャすごい』『チンチャあり得ない』等と嫁と騒ぎながら視聴するのが最近の趣味です。で、数か月後どうなるかというと、面白かった、イマイチだったという印象が残るくらいでストーリーも大体忘れる。時間をかければ思い出すけど、タイトル見ただけだと思い出せないものも多数。因みに昔はGoogle Chromeの設定で3倍くらいで見ていたが今は何ゆえかブラウザのプラグインで操作できなくなってしまった。 …何が言いたいかというと、カンタベリー物語も中巻読了後内容をいまち覚えていられないという話。 そういう時どうなるかというと最後に読んだものが一番印象が強くなります。中巻の最後はメリベウスの物語。でも、確かにこれは印象的な話でした。 メリベウスの物語。内容は、ある貴族の領主の家に強盗が入り、妻がケガを負い、娘が瀕死の大怪我をする中、この領主が復讐をといきり立つ中、傷つけられた妻が夫を諫めるという話です。この夫婦漫才的なやり取りが70ページもの長きにわたって繰り返されるという笑 傷つけられたにもかかわらず強盗と和解をするべしという奥様なのですが、当時の身分制故か、表立った反論をせず、先ずはご主人の言うことをきちんと受け止めます。ただ、そのあとじわじわ反論するので、鳥瞰すれば「Yes, but」「Yes, but」が続き、ご主人は逃げ道がなくなる?というか、奥さんの言う通りにしない訳にいかない形に追い込まれます。妙にいたたまれなくなります。 他方ご主人も、加害者に対し娘が受けたのと同じ程度の害を加えたいといきり立つ中、奥さんから散々反論・駄目だしされ、挙句の果てに「君の忠告に従う心づもりはできている」、って聞くんかい!って突っ込んでしまうくらいな従順さ。その素直さが広まれば世界中の夫婦喧嘩は絶滅しますよ。私にも分けてほしい…。 まあでも、確かに奥様の意見はご尤もで、「人を裁くのは神と裁判官(法)のみ」なんて語っているのを見るとマグナ・カルタとキリスト教の伝統のベースを強く感じます。 ・・・ その他、結婚5回し性生活を謳歌したというバース女房の話などは、ルネサンスの影響を見て取れる内容でした。そうした中世文化史に興味の有る方にはおすすめできる作品かと思います。
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13篇の話を収めている。「バースの女房」の話は序の方が面白いパタンで5回の結婚を繰り返した女による亭主の攻撃方法、話の方はアーサー王伝説のガヴェインの話である。不器量な女と結婚した男が誠実によって魔法を解く内容である。「托鉢僧の話」は召還吏が悪魔といっしょに老婆に財産をたかりにいくが自分も悪魔のものになってしまう話、「召還吏の話」は托鉢僧への当てつけで、修道院への寄進をたかりにきた托鉢僧が屁を寄進される話である。「学僧の話」はロンバルディアのワルテルという伯爵が器量のいい貧民の娘グリセルダと結婚し、彼女の貞淑を試し、二人の子供を取り上げ殺したように見せ、最後に祝福する話である。「貿易商人の話」は年をとって若々しい妻を娶った騎士が青春を取り戻すが、盲目となり、妻に浮気される話である。「近習の物語」はモンゴルが舞台で、謎の使者が、ジンギス・カーンに真鍮製のどこにでもいける馬や、未来がみえる鏡、鳥の話がわかる指輪などを贈る話だが未完である。「郷士の話」は人妻に恋した騎士が自然魔術師に頼み、海にみえる岩礁を消すのだが、結局、人妻をあきらめる話である。当時の天文学や地球が丸いことなどが書かれていて興味深い。また、中国の二十八宿の記述もでてくる。「医者の話」は裁判官に恋慕された美しい娘が手籠めにされる前に父に斬り殺される話である。「免罪符売りの話」は序で彼の商売のいろいろな手口が書いてあるが、話は金をとりあった三人の男が互いを殺し合い、全滅する話である。「船長の話」は商人が僧に金を貸し、女房も寝取られる話である。「尼僧院長の話」はユダヤ人街でマリアの賛美歌を歌った少年が殺され、厠に捨てられるが、奇跡が起きて、捜索者に賛美歌が聞こえた話である。最後の二つは宿の主人からチョーサーに話をするように勧めがきて、まず話だすのが騎士の叙事詩である「トバス卿」の話、巨人と戦うためにいざ出陣というところで、宿の主人に面白くないからやめろといわれ、終わりになる。かわって話したのが「メリベウスの話」で、妻と娘を襲撃され、一族郎党をあつめ、復讐をちかった騎士が妻から復讐を断念するように説得される話である。助言や友情などについて、ソロモン、キケロ、ペトルス・アルフォンス、イノケンティウス教皇などの言葉が50ページくらい延々引用される。
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