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完訳 カンタベリー物語(上) 岩波文庫
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完訳 カンタベリー物語(上) 岩波文庫

ジェフリー・チョーサー(著者), 桝井迪夫(訳者)

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完訳 カンタベリー物語(上) 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1995/01/20
JAN 9784003220313

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商品レビュー

3.7

11件のお客様レビュー

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2010/05/28

花ほころび、そよ風吹…

花ほころび、そよ風吹きそめる四月、サザークの旅籠で出合った二九人の巡礼たち。身分も職業もさまざまな彼らが、カンタベリーへの道中、順番に話をすることになって―中世イギリス最大の詩人チョーサーの代表作。

文庫OFF

2022/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨年ボッカチオ『デカメロン』を読了し、中世文学に興味を持ちました。そして本『カンタベリー物語』は『デカメロン』を下地にしていると聞き、読んでみた次第です。 文庫本で3冊にわたる本作、上巻を読了した時点の感想は、本家デカメロンよりも読みやすい、と感じました。 本家は10人が1日1話、10日間話を披露するというものでしたが、本作はひとり1話のようです。で、セッティングはまあデカメロンと類似の形式で、ある宿屋で一緒になった身分も職業も違う者たちがカンタベリー寺院へ共に巡礼に出向く道すがらにそれぞれが語るというものです。 本上巻では序章と5つの話(騎士の話、粉屋の話、家扶(wikiでは親分と訳されています)の話、料理人の話、法律家の話)が収録されています。 一番目を引いたのは粉屋の話。彼は、年の離れた若い奥さんを貰った大工の話をするのですが、下宿の学生が悪知恵を働かせて奥さんを寝取るという筋です。学生がノアの洪水にかこつけて大工をだまくらかすのですが、中世で広く旧約聖書の内容が信仰生活の下地に息づいていることを感じさせました。また、中世ルネサンスの入り口にあり、キリスト教的宗教的雰囲気がきしみ始めていることも感じました。 ちなみに解説によると、粉屋というのは下衆の代名詞?のようでして、今読んでいる別の英国モノの小説で、粉屋(mill runner)の娘からイイトコに嫁に行ったというくだりがあり、粉ひきの父親をもって何がわるいのか、と読んだときは感じたのですが、下層の出であることの婉曲表現であったようです。 ・・・ やはり当時の人々の生活・文化などが分かる点が面白いと感じました。英国中世の文化についてはDan Jones氏のマグナ・カルタ関連の著作に幾つか言及があるのを見ましたが、こうした物語の方が圧倒的にビビッドであると感じました。

Posted by ブクログ

2022/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まずは高貴で気高い「騎士」の説明から入る。彼は騎士道を愛し、従者も1人だけ連れていた。次に「女子修道院長」。微笑む姿は誠に無邪気で恥ずかしそう。食事作法に良く熟達しており、スープを一滴たりともこぼさない見のこなしに加え、フランス語を巧みに操った。彼女は秘書役の修道女1人と司祭3人を連れていた →この時点で7人いる 次に狩りが好きな「修道士」。他の修道士達と違って、聖アウグストゥスの教義に則れば仕事にあくせくして働かなければならないことに反感を持っており、狩りにご乱心なのだ。 次に「托鉢修道士」。奔放で陽気な、大変位のある重要人物。大変優しく懺悔を聞いてやり、快く赦免を行なっ た。名をヒューバードと言った。 次に「豪商」。売り買いや金策に対しては堂々として威厳があった。 次に「オックスフォードの神学生」。高価な服やバイオリンを揃えるよりも、アリストテレスの哲学書を20冊買 った方がマシだというほど真面目な神学生だった。自分が勉強できるように支えてくれる周りの人々に常に感謝の意を忘れなかった。 次に「高等法院弁護士」。セント・ポール大聖堂によく出かけたことがある。ウィリアム征服王の時代以来生じたあらゆる判例や判決をきっちり対処しており、かなり忙しそうだった。 次に「大地主」。この高等法院弁護士の連れで、楽しく生きることが彼のモットーでエピクロスの申し子だった。 →この時点で13人いる 次に「小間物商」「大工」「織物師」「染物師」「綴織師」もいた。彼らは同じ格式高いギルドのメンバーだったが、「料理人」も同伴させていた。 →この時点で19人いる 次に「船長」。デヴォン州から来ているようで、はるばるやってきたようだ。 次に「医学博士」。医学と天文学に精通しており、極めて健康的な生活を好んだが、聖書の勉強はほんの少しだけだった。 次に「女房」。バースから来た耳が遠く、かつて夫が5人もいたというすごいおばさん。しかし本当にすごいのは ここからで、彼女はエルサレムに3度、ローマにも言ったことがあり、ブローニュにも、サンチャゴ・デ・コンポ ステラにも、ケルンにも行ったことがあった。 次に「主任司祭」。信仰心に厚く、善行に富んでいたし、思いやりがあってすごく勤勉だった。自分が民の代表として正しい行いをすることで民の手本となろうとする素晴らしい人物だった。 →この時点で23人 最後に「荘園管理人」「粉ひき屋」「教会裁判所召喚史」「免償説教家」「食料仕入れ係」と「私自身(チョーサー)」がいた →合計29人 これは物語の序章であるが、ここでチョーサーはこう付け加える 「私がこの語りにおいて彼らの言動を率直にそのまま述べたとしても無礼なやつだと思わないでください。 なぜなら、皆さんは私と同様によくご存知の通り、誰でも人のいう通りに言わねばならないという責任がある場 合、できるだけその通りに1語1語繰り返さねばならないから。」

Posted by ブクログ

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