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服従の心理 アイヒマン実験 河出・現代の名著
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 1995/10/25 |
JAN | 9784309706146 |
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服従の心理
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言わずと知れた「ミルグラム実験」の筆者が、その実験の全貌を自ら語る本。乱暴に一言でまとめると、ミルグラム実験というのは、悪人でもなんでもない一般人が、大学という権威に命じられるだけでたちまち他者に深刻な危害を及ぼす行動をとりうることを明らかにした実験。そこでミルグラムは、悪人で...
言わずと知れた「ミルグラム実験」の筆者が、その実験の全貌を自ら語る本。乱暴に一言でまとめると、ミルグラム実験というのは、悪人でもなんでもない一般人が、大学という権威に命じられるだけでたちまち他者に深刻な危害を及ぼす行動をとりうることを明らかにした実験。そこでミルグラムは、悪人でも異常者でもない人をそのように突き動かす力はなんなのか、その力は人にどのような影響を与えるのかということを追究する。 本書を読んでまず気がつくのは、ミルグラムはただ単に人間のもろさを描き出したわけではないということです。なぜ人は権威に服従するのかと言う点に問題をしぼり、こうしたらどうか、ああしたらどうか、といくつもの実験を繰り返している。こうしたら服従の度合いが弱まるのではないか、と、条件を変えながらいくつもの実験をして、服従と不服従の分岐点を探ろうとしています。 例えば、被害者の性格の違いで差が出るか。罰として電撃を加える被験者からすれば、素っ気ない人に罰を与える場合よりも、人の良さそうな人に罰を与える場合のほうが抵抗感が大きいかもしれない。あるいは、被害者が女性だったらどうか。女性に罰を与えると言うのは、男性に与える場合よりも抵抗感が大きいかもしれない。あるいは、被害者が心臓に疾患を抱えていたらどうか。その他の実験では被害者の生命に危険を及ぼさないことが(権威によってではあるのだけど)保障されているが、ここではその保障が大きく揺らぐ。被験者は、命の危険があり得ると知ってなお、権威への服従を示して電撃を与えるのだろうか。 ミルグラムの予想に反して、こうした要因はまったく歯止めにならなかったようです。被害者の人柄、性別、疾患、そのほかこうした諸々の要因が、人の心を不服従に突き動かすことは無かったのです。こうした数々の実験が、人が把握している自分という存在、あるいは他者も含めた人間という存在に対する想像を大きく裏切る結果を次々と示してゆくさまは、本書の恐ろしさであり、発見的な面白さでもあります。 ミルグラム自身は代理状態(agentic state)という言葉を使っていますが、自分は他者の要望を遂行する道具であると考え、自分の行動の責任を命令者に押し付けることによって、非人道的な命令であっても遂行することが可能になる。代理状態にある人は、命令者に対する責任は感じるが、被害者に対する責任は感じなくなる。そのように”チャンネル合わせ”が行なわれるのだと言う。 …………訳者も本書の実験には苦々しい感想を漏らしているのだけども、わたし自身も、本書を読んでまったくその通りだと思った。人は人のことがあまりにも見えておらず、自分の罪を正当化して、なんとか自分を守ろうとする。被害者となった権威者を被験者が助けたのは、彼ら自身が語る「人道的」な理由からではなく、権威に対する服従の証明だった。自分の罪をことごとく実験者に転嫁した被験者は、自分の好意の重荷を背負うこともなく、その重荷を背負ったのは、むしろ不服従を貫きその罪過を認めた被験者たちだった。なんとも言えない読後感だけが残った。
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「アイヒマン」実験について詳細が書かれた古典。日本では70年代に初訳が出て、最後の出版が1995年10月のこれ、だそうだ。近々新訳で、河出書房新社から発売される。この間に、9.11があり、アブグレイブやら、人間の残虐性などなどを考える契機が社会的に多々あった。ハラスメントについて...
「アイヒマン」実験について詳細が書かれた古典。日本では70年代に初訳が出て、最後の出版が1995年10月のこれ、だそうだ。近々新訳で、河出書房新社から発売される。この間に、9.11があり、アブグレイブやら、人間の残虐性などなどを考える契機が社会的に多々あった。ハラスメントについての知見が蓄積され、残虐な行為というのは、必ずしも特異な状況で発現するものではなく、身近にいくらでもある、ということが知られるようになってきた。つまり、特異な状況を作って出てくる残虐性は、普遍的にあるからこそあっけなく出てくるのだ。新訳が出たら、解説やら後書やら、95年と08年を比べてみたら面白いだろうな(^^)。
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