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冬山の追撃 創元ノヴェルズ
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冬山の追撃 創元ノヴェルズ

デイヴィッド・ポイヤー(著者), 厚木淳(訳者)

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冬山の追撃 創元ノヴェルズ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/
発売年月日 1994/02/25
JAN 9784488800970

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2016/11/21

私がミステリ読書の羅針盤として活用した色んな情報誌の中に、恐らくミステリ読者ならば避けては通らない『このミステリーがすごい!』があったのは今まで述べてきたとおりだが、このムックにはご存知のように国内ミステリと海外ミステリの2つのカテゴリーでランキングが記載されている。海外ミステリ...

私がミステリ読書の羅針盤として活用した色んな情報誌の中に、恐らくミステリ読者ならば避けては通らない『このミステリーがすごい!』があったのは今まで述べてきたとおりだが、このムックにはご存知のように国内ミステリと海外ミステリの2つのカテゴリーでランキングが記載されている。海外ミステリのランキングを読んでいるうちに、海外ミステリ、それも現代作家のミステリも読んでみようかなと思うのにはそう長くはかからなかった。なんせ当時は海外ミステリの投票者の方が多かったのである。10人くらいの開きはあったように記憶している。現在ではこれが逆転し、ちなみに2009年版では国内が海外が5人ほど上回っていた。まあ、あまり大した差ではないのだが。 その頃の私は高校の頃の空隙を埋めるべく、古典ミステリを読むことに腐心し、さらに島田荘司作品を始め、新本格作家と呼ばれていた新進のミステリ作家達の諸作を追いかけていたのは既に述べたと思う。これは久々に読んだブラウン神父シリーズが非常に刺激になったことが大きく、今まで読まなかったことを後悔したことによる。国内作家はご存知のように友達が貸してくれた島田作品との出逢いがきっかけになった。今思うと、この読み方は非常によかったと思う。新本各作家たちは古典ミステリにも精通しており、有名作品を換骨奪胎した作品群が多く、それを知ることで自然に原典である古典ミステリにも興味を覚えることが出来、十数年経った今、系統だったミステリの読み方が出来るようになった。これは思わぬ副産物だった。しかし現代海外ミステリまでには手が伸びてはいなかった。 当時、書評家の中には日本のミステリと海外のミステリとは10年の開きがある、まだまだ国内ミステリは海外作品には到底及ばないなどとのたまう人もいて、へえ、そんなにいいもんかね?と懐疑的だったが、そこまで云うのならば読まないのも、人生の損失だからいっちょ読んでみるかと一念発起した次第。 それでまずどこから手をつけようかと悩んだところ、やはりブラウン神父シリーズでミステリに回帰したからには、老舗の東京創元社から始めるのが妥当だろうということで、近くの本屋に行ったところ、そこの平台に置かれていたのが本書だった。 しかし本書は創元推理文庫ではなく、今は無き創元ノベルスという、当時東京創元社が新たに始めた冒険小説を中心にした文庫シリーズだった。まずこのブランドからは今なお傑作といわれるボブ・ラングレーの『北壁の死闘』が上梓されたこと、その名作とシチュエーションが似ていること、そして本作がこの作者の邦訳第1弾であったこと、といった簡単な理由で手にした。しかしその期待は見事に裏切られる。もうほとんど内容は覚えていないのだが、たしか本作は冬山で息子を亡くした男の復讐譚というべき内容で、狩りかなんかに巻き込まれて死んだ息子の敵を取るため、父親がその連中を殺すべく冬山へ銃を手に乗り込む、そんな内容だったように思う(違ってたらゴメンナサイ)。 復讐譚といえば、法月綸太郎の『頼子のために』で既に経験済みで、しかも面白く読めたので、これは面白いだろうと思い、読んでみたが、大いに期待外れだった。 もうほとんど印象とでしか残っていないが、終始陰鬱で動きに乏しい話だった。銃を持った復讐譚という割には活劇も少なく、いつ面白くなるんだろうと思いながら読んだ印象がある。 確か最後の方にちょろっとそういう活劇めいた物があっただけで、それがそれまでの退屈を埋め合わせるには全然足りなかったように記憶している。 とまあ、最初の現代海外ミステリデビュー(ちなみにシドニー・シェルダンはミステリとして読んでいなかったので、デビューと考えていない)はさんざんな思いがした。しかし、私は諦めの悪い男で、一度手にした作家は最後まで付き合うことにしている。特に先に挙げた3つの理由のうち、青田買いともいうべき最後の理由で、いつかこの作家が日の目を見るに違いないと思い、とりあえずこの作家の作品を買い続けることにした。今思えば、ポイヤー作品は私のミステリ読書歴の中でも仇花ともいうべき存在。一応この後刊行された全ての作品を読んでいるが、記憶も不鮮明だということもあり、今後感想を挙げていくかどうか非常に迷っているのである。

Posted by ブクログ

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