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この人を見よ 自伝集 ニーチェ全集 15 ちくま学芸文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1994/06/08 |
JAN | 9784480080851 |


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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
この本の巻末解説によると、この作品はニーチェの誕生日10月15日に書き始められ11月4日には脱稿するという驚異的スピードで書かれた作品です。1889年1月初頭にはニーチェは発狂してしまうのでまさにこの作品は発狂直前のニーチェ最後の姿を知ることができる1冊となっています。 実際に...
この本の巻末解説によると、この作品はニーチェの誕生日10月15日に書き始められ11月4日には脱稿するという驚異的スピードで書かれた作品です。1889年1月初頭にはニーチェは発狂してしまうのでまさにこの作品は発狂直前のニーチェ最後の姿を知ることができる1冊となっています。 実際に本文を読んでいると正気と狂気のはざまを揺れ動くような言葉が続いていきます。読んでいて恐怖を感じるほど鬼気迫る言葉でニーチェは語り続けます。ほとんど狂気と言ってもいいような精神状態で書かれた言葉というのは、やはり凄まじい強さがあります。ドストエフスキーにもそれを感じますが、やはり天才と言われる人間の精神の在り様は通常のそれとはまるで違うということを考えさせられました。
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ニーチェ「私が何を言おうとそこから新しい偶像が生まれることはない。 むしろ古い偶像が私の言葉を聞いて一体何が出来るのか思い知ればいい。 偶像(理想)を倒すこと、これこそ私の以前からの手職だった。 一つの理想世界が虚構せられたとき、その分だけ価値の意味と誠実とが現実の世界から削り取...
ニーチェ「私が何を言おうとそこから新しい偶像が生まれることはない。 むしろ古い偶像が私の言葉を聞いて一体何が出来るのか思い知ればいい。 偶像(理想)を倒すこと、これこそ私の以前からの手職だった。 一つの理想世界が虚構せられたとき、その分だけ価値の意味と誠実とが現実の世界から削り取られた。 そういう風に「真の世界」と「仮の世界」とができた。 しかし、実は真の世界こそが虚偽の世界であり、仮の世界こそ現実の世界だった。 理想というこの嘘が、今ままでずっと現実世界を責めさいなんでいた。 この呪いによって人類自身がその本能の奥底まですっかり嘘つきになり、偽物になってしまい、ついには、繁栄と未来と、 未来への高き権利とを保証するだろうと思われているような本物の価値とは逆な価値を崇拝するという状態にまで至っている」 『この人を見よ』の序言が上手くニーチェの言いたいことをまとめています。 この本は、ニーチェが人類に史上最も難しい要求を突きつける前に書かれたものです。 ニーチェ自身が言ってますが、この本は「人類を改善する」ことが書いてあるものではないし、そんなことを約束する本でもありません。 なぜなら人類の領域であがいていても改善など出来ないからです。 いつも何か超越的なものを作り出し現実を生を貶めるニヒリズム、 理屈や論理より復讐で動くルサンチマンが必然となっている人類を超えなければいけないのです。
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