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子どもとファンタジー 絵本による子どもの「自己」の発見
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新曜社/ |
発売年月日 | 1994/07/05 |
JAN | 9784788504974 |
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商品レビュー
4.5
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シルヴァスタインの「THE GIVING TREE(邦題:おおきな木)」の感想を、スウェーデン、英国、韓国、日本の7歳から17歳までの男女計1981人から集めて調査分析した結果を元に書かれた心理学の本。年齢の軸や性別の軸、国(文化)の軸などにより多角的に分析され、たしかにたった一...
シルヴァスタインの「THE GIVING TREE(邦題:おおきな木)」の感想を、スウェーデン、英国、韓国、日本の7歳から17歳までの男女計1981人から集めて調査分析した結果を元に書かれた心理学の本。年齢の軸や性別の軸、国(文化)の軸などにより多角的に分析され、たしかにたった一冊の本の感想からの分析ではあるけれども、信じられないくらい多くの洞察を与えてくれる。やはりこれは素材としたシルヴァスタインの「おおきな木」の内容の深さ広さからくるものだろう。シルヴァスタインの「おおきな木」は自己を投影する鏡のような本だから(そもそも本とはそういうものかもしれないが)、どうして、なぜという問いかけはそのまま自己発見につながっていく。 ファンタジーのとらえ方について。児童期は自分の世界とファンタジーの世界が地続きなので、物語の中の時間の流れが現実世界と違うことにびっくりする。少し大きくなるとファンタジーであることがわかりはじめ、現実との違いを指摘する。大人になると今度はファンタジーを現実世界の枠組みで解釈し、そこに学びを見いだしたりする。 感情と認識の関係について。ここは本筋から外れるが、最近のニュースで見た、エモい記事論争を思い出した。心理学は客観性を重視するあまり、これまで感情を主観的すぎるとして排してきた。しかし幼い子どもは感情という情緒的な認識を行う、それを大人が「なぜ」「どうして」と聞くので、自分の感じたことを構造化して伝えるようになるのである。感情と認識は相互に関係し合っている。とするとエモい記事論争も、データか感情かというどちらか片方にはならないような気もするが…。 最後の感想文を書く行為についての一章も示唆的。感想を書くということはテキスト表現によるアートセラピーのように感じた。自分も今こうして感想を書いているわけだが、外に表現することで、自分の意識を相対化し、またそれを自分の中に取り込んでいく。人の心理はこのようにして発達していくのだということが何となくわかった気がする。
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子どもたちが、どのような道筋を通ってファンタジー(現実とは違う世界)を理解できるようになるのかがわかる本。 その論の根拠は、日本・英国・スウェーデン・韓国に住む7~17歳の子どもたちが書いた『与える木』という絵本の感想文だ。 1980~90年代の調査を基に1994年に書かれた本だ...
子どもたちが、どのような道筋を通ってファンタジー(現実とは違う世界)を理解できるようになるのかがわかる本。 その論の根拠は、日本・英国・スウェーデン・韓国に住む7~17歳の子どもたちが書いた『与える木』という絵本の感想文だ。 1980~90年代の調査を基に1994年に書かれた本だが、著者が示す子どもの発達心理学的見解は、今を生きる子ども達にも通じるものであると思われる。(むしろ現在は、調査対象だった子どもたちが、次の世代を育む立場になっているのだ!) どの発達段階にあるか、どんな社会・文化の中で育てられているかによって、子どもが絵本をどう読み解くかに違いが出るとは思いもよらなかった。特に、日本の子どもたちが「強者-弱者」を理解し、登場人物に対して哀れみを感じられるようになる過程を知ることができたのは、私にとって大きな「収穫」だった。 ひとりひとりの子どもに寄り添った本の手渡し方を、改めて考えさせられた。
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絵本「おおきな木」を用いて、子どもが成長していく中での絵本との関係性(?)を考えた本。イギリス、スウェーデン、韓国、日本の子どもたちの感想が例としていくつか載っている。年齢により、それらの内容が変化していく様子がおもしろい。国により、感じ方や“木を何の象徴と思うか”が異なり興味深...
絵本「おおきな木」を用いて、子どもが成長していく中での絵本との関係性(?)を考えた本。イギリス、スウェーデン、韓国、日本の子どもたちの感想が例としていくつか載っている。年齢により、それらの内容が変化していく様子がおもしろい。国により、感じ方や“木を何の象徴と思うか”が異なり興味深かった。 (〜P.111までしか読んでない)
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