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イヴォンヌの香り
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 1994/10/31 |
JAN | 9784087732047 |
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イヴォンヌの香り
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
読書日記作家 山崎ナオコーラ(1) 『イヴォンヌの香り』謎は謎、解かない自由 2016/11/17付日本経済新聞 夕刊 読み始めてすぐに頭がぼんやりしてきた。 偽名を使い、過去を語らない主人公が登場する。容姿も語られないので、どのような人物か上手(...
読書日記作家 山崎ナオコーラ(1) 『イヴォンヌの香り』謎は謎、解かない自由 2016/11/17付日本経済新聞 夕刊 読み始めてすぐに頭がぼんやりしてきた。 偽名を使い、過去を語らない主人公が登場する。容姿も語られないので、どのような人物か上手(うま)く把握できない。 店名や通りの名前が細かく書かれるが、具体的ではなく、全体としての風景の像が頭の中でなかなか結べない。 人物も風景も、分厚いカーテンの向こう側にちらちらするだけだ。 パトリック・モディアノの『イヴォンヌの香り』(柴田都志子訳、集英社)は、若い男女のひと夏の恋物語だ。 街の雰囲気、時代の空気、人物たちの会話が細かく丁寧に描写され、うっとりとする雰囲気がページから漂う。ただ、その描写がどれもはっきりしなくて、すらすら読めない。謎だらけだ。 街のことはともかく、人物についてはやがて解き明かされるのではないか、どんでん返しがあるのではないか、と思っていたら、ラストまで謎は謎のままだった。 そうか、謎というのは、解かなくてもいいのか。わかろうとする努力をせずにページをめくり、街を描く美文、時代の空気を活写するフレーズに酔いながら、自分なりの読書時間を過ごせばいいだけだったのだ。 国語教育の弊害で、「読解をしなければいけない」と、つい思ってしまう。頭に描く像は、読解をした結果でなくてはいけないと思い込んでいた。 でも、読書は常に自由だ。わからなくても、楽しくさえあればいい。わからないままに読書を楽しむ能力も教育で伸ばしたいところだ。 やまざき・なおこーら 1978年福岡県生まれ。著書に『美しい距離』など。
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風景画のような俯瞰的視点ではじまる描写や、フラッシュバック的に語られる物語に魅了される。 時間軸が曖昧で空間的というか、記憶的に進む語り口が優しい。新鮮な読後感。 主人公について謎が多いし、イヴォンヌについてもそうなのだけど、登場人物について語り過ぎない方法もあるのだと教えてくれ...
風景画のような俯瞰的視点ではじまる描写や、フラッシュバック的に語られる物語に魅了される。 時間軸が曖昧で空間的というか、記憶的に進む語り口が優しい。新鮮な読後感。 主人公について謎が多いし、イヴォンヌについてもそうなのだけど、登場人物について語り過ぎない方法もあるのだと教えてくれた。 唯一、詳細な描写を感じたのは田舎の叔父さんくらい。 アンニュイなのに優雅なこの雰囲気をどう表現したらよいのやら。とにかく一読に値する作品。
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モディアノ中毒という言葉があるそうですが、分かりますわかります。すでに中毒に。 この本は、幻のような主人公が、幻のようなイヴォンヌ、その友人のマントらと、夢か現か分からないような、淀んでは流れる水や霧のような日々を過ごしたことを回想するもので、なんとも表現できないような余韻を残し...
モディアノ中毒という言葉があるそうですが、分かりますわかります。すでに中毒に。 この本は、幻のような主人公が、幻のようなイヴォンヌ、その友人のマントらと、夢か現か分からないような、淀んでは流れる水や霧のような日々を過ごしたことを回想するもので、なんとも表現できないような余韻を残してプツンと途切れます。
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