薬指の標本

小川洋子(著者)

• 内容紹介: 内容:薬指の標本.六角形の小部屋
• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 1994/10/30
• JAN: 9784104013012

商品レビュー

2024/10/27

ダヴィンチ(雑誌)の官能特集で千早茜さんがこの本を挙げていたので気になって読んでみた。
彼女曰く、ふくらはぎを持ち上げて古い靴を脱がせ、自分の足にぴったりの靴を履かせるというのを10代の頃に読んでくらくらしたとか。
確かに多感なその頃に読んでいたら自分も興奮していたと思う。色々枯れてしまったこの歳では支配的DV犯罪男にしか見えなくて…靴を履かせる背徳的なシーンは好みだったけど体の関係も持つんかーいとちょっと冷めてしまった。
貴女が標本になっても弟子丸は愛でに来ないと思うし、次の貴女の代わりを見出すだけだよ…というか自分を失って弟子丸に支配されやすそうな人がここに流されて辿り着ているのかもしれない。本人が幸せならOKです。

千早茜さんの「透明な夜の香り」で主人公が棚に陳列されるラベルが貼られた瓶のようになりたい(うろ覚え)みたいに思うところがあって、この「薬指の標本」からインスパイアされてるのかな。

2023/06/19

すごく、曇っててモノクロかセピア色の感じの物語だった。主人公と標本士の関係が本当に変わってて、狂気じみてて、暗いまま終わった。

2022/08/26

薬指の標本は甘やか
六角形の小部屋はもう少し厳しい
わけがわからないままなのがいいんだろう
種明かしをしたらそれはもうただのお話になってしまうからね