1,800円以上の注文で送料無料

森と文明
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

森と文明

ジョンパーリン(著者), 安田喜憲(訳者), 鶴見精二(訳者)

追加する に追加する

森と文明

定価 ¥5,020

990 定価より4,030円(80%)おトク

獲得ポイント9P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 晶文社
発売年月日 1994/09/25
JAN 9784794961839

森と文明

¥990

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

レビューを投稿

2019/07/31

(01) 「森と文明」としてもそれほど苦しくはないが,”A FOREST JOURNEY : The Role of Wood in the Development of Civillization”(ある森の旅:文明の発達において木が果たした役割)の原題にあるニュアンスも,読み...

(01) 「森と文明」としてもそれほど苦しくはないが,”A FOREST JOURNEY : The Role of Wood in the Development of Civillization”(ある森の旅:文明の発達において木が果たした役割)の原題にあるニュアンスも,読みすすめながら感じてみたいところである. 紀元前の,例えば中近東から始まった文明は,古代のギリシア,ローマをめぐり,中世から近代のイギリス,アメリカへと,その周辺地域を巻き込みながらも,木という資源の集積地である森を常に目指しており,数千年をかけて,森を破壊しつつ,時の技術を手がかりに,文明の旅は展開されたとの大きな視点に立つ試論が本書である. 造船や建築土木の建材,採暖や製鉄(*02)の燃料として木は常に大量に必要とされ,時には,マストや梁として大きな木が必要とされてきた.レンガの焼成,製塩,(ガラスも含めた)製陶,製糖の燃料にも,マツなど針葉樹から得るタールやピッチとしても,鉄道の枕木から炭鉱の坑道支保の材でも,木の需要は,文明において止むことなく喚起されており,文明の拡大につれ,森林はいつも欠乏し,政治や交易は,森と木をめぐって常に右往左往していたことを,本書は淡々と描いている. 木質資源をめぐって戦争がもたらされ,河川航路とともに長大な航海と木の運搬がなされ,紀元後の西欧の覇権の鍵は,森の支配にあったかのようにも読める. ゆえに伐開されたあとへ植林することで森の回復が図られ,大径木からなる森を保護する動きも古代から政策的に試みられてきたものの,結局は,森の伐採と開発は拡大的に進んでいく文明の方向性には,なんとも皮肉な可笑しさが滲んでいる. (02) イギリスの産業革命前夜,製鉄のための燃料が木炭や薪から石炭(コークス)へと転換しているが,この転換が消極的に起こっていることは関心をひく.木や森の不足からコークが発明されており,森が広大で,木が無尽蔵にあれば,あるいは森林の生産力が鉄の需要以上にあれば,あるいは産業革命にいたらなかったのかもしれないことを示唆している. 燃料の観点から記した世界の製鉄史概論として読むこともできるだろう.また,鉄のために,どれほどの森林が破壊されてきたかを想像し,想定することも,本書は可能にしている.

Posted by ブクログ

2017/06/09

タイトルそのまんま、人間の文明と森の関係について、ギルガメシュの時代からアメリカの黎明期に至るまで、時代と場所ごとに解説した本。はっきり言って分厚い。2段組489ページ。 しかし非常に興味深く面白い内容。イギリスとアメリカの章には特にページが割かれていて読み応えもあるが、おそらく...

タイトルそのまんま、人間の文明と森の関係について、ギルガメシュの時代からアメリカの黎明期に至るまで、時代と場所ごとに解説した本。はっきり言って分厚い。2段組489ページ。 しかし非常に興味深く面白い内容。イギリスとアメリカの章には特にページが割かれていて読み応えもあるが、おそらく参考文献が豊富にあったのだろう。 とにかく、どの時代もどの都市も、産業の発展のためには森林が不可欠であり、森林の消滅とともに衰退期を迎えることがわかる。 森は建材を与え、豊かな土壌を与え、何より燃料、つまりエネルギー源の宝庫だった。火なくしては、鉄もガラスも陶器も作られない。鉄がなければ武器が作れず、大木がなくては軍艦も作れない。 というわけで、ヨーロッパの国々が、なぜ新大陸を探しに出かけたか。それは、新たな手つかずの森を見つけるためだったと言って良い。そして最後の大森林地帯、アメリカ大陸も産業の発展と引き換えに森を失った。 現在、大量にエネルギーを使う文明であるにもかかわらず、かろうじて森が残っているのは、燃料が石炭や石油、天然ガスに取って代わられたおかげだと言える。 (石炭や石油だって、古代の木々が形を変えたものだ。つまり、現在に至るまで、人類は植物におんぶに抱っこの状態) 実は何千年も前、バビロニアの時代から学者は森を失うことのリスクを訴え、森を保護するよう、統治者に働きかけてきた。だが、目先の利益(それも巨大な)の追求しか考えない連中がいて、彼らがどうしても言うことをきかない。それで、何千年もの間、同じ過ちが場所を変えて繰り返されている。アメリカ、イギリス、ギリシャ、そして中近東までもが本来は鬱蒼と木が茂る土地だったのが刈り尽くされてしまったのだ。 「森を守れ」は今にはじまったことではなく、もう長いこと守れないでいる。恐らく、地球上から森が消えたとき、人類も消える。これは、そういう警告をしている書物だ。

Posted by ブクログ

2011/11/13

世界史の教科書読むよりも、この本を読む方が遥かに歴史を面白く思う筈。森林資源という観点から歴史を紐解いた良書。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品