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定時制高校青春の歌 岩波ブックレット351
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1994/07/20 |
JAN | 9784000032919 |
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定時制高校青春の歌
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昼働き、夜学ぶ。つらい生活を国語の授業通して表現 神戸工業高校(夜間定時制)生徒たちの短歌集「定時制高校青春の歌。著者の南悟は学生時代に、兵庫県立湊川高校(夜間定時制)における、被差別部落出身の生徒や在日朝鮮人生徒たちの再生にかけた福地幸造氏の教育実践記録 「落第生教室』に感動して教師になることを決意。全日制高校の教師を経て一九七九年より神戸工業高等学校(夜間定時制)の国語教師となる。 定時制高校生の多くは経済的、学力的、あるいは家庭事情などの理由で昼の学校に行けなかった口惜しさを持っている。また、働きながら学ぶという生活は人の二倍も三碧もの努力を要し、卒業率は五割程。つまり、すごくしんどい生活なのだ。 「自分の生き方に自信を持てないでいる彼らが、自分自身を発見し、生きる力を身につけるには昼に働き夜に学ぶ、という生活によるところが大きい。そうした彼らのいとなみを国語の授業を通してなんとか表現できないだろうかと考えて取り組んだのが「短歌」の創作でした」と著者。 授業に来ても机に伏せて寝ていることの多い生徒の歌「親方は柄も悪いし口悪いいいとこ無しの最低野郎」は、技術的なことは別にしても、詠んだ生徒の気持ちがグッとくる。 中卒の学歴しかない定時制高校生の多くは、零細事業所で働いており、職場環境も劣悪だ。「工場の昼なお暗き片隅に一人で向き合うフライス盤」 「溶岩のごとき青銅沸騰しアルミの飛沫に腕をやけどす」など苦労がわかる歌も多く収録されている。 「極道も悪事もやめて二十二歳遠回りして今夜学生」と歌ったのは、やくざをやめて清掃会社の仕事をしている夜学生。彼の仲間は中学も十分に卒業していない。そんな仲間の見本になるために、あえて一番つらい、そしてしんどい夜間高校の道を選んだと言う。 温かいクラスと仲間「夜間はホッとするなあ」 著者が詠んだ「遅れて来て「夜間はホッとするなあ」という生徒「よだかの星」の頁を繰れり」。生徒にとって、夜間定時制高校は、きついはずなのに憩いの場でもある。この気持ちは、夜間定時制高校に学んだ自分の体験と重ね合わせて胸に熱いものが込み上げてくる。 ここ数年、行政は生徒の減少を理由に「働きながら学ぶための定時制高校の役割は終わった」と言って、定時制高校を統合や廃校にして「単位制高校」の設置を進めている。しかし、働く生徒たちが学校に通い続けることができるのは、そこに心安まる温かいクラスがあり、親しく語り合える仲間がいてこそと思う私は古いのだろうか。
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