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人妻 梓 フランス書院文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | フランス書院/ |
発売年月日 | 1994/08/10 |
JAN | 9784829605691 |
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人妻 梓
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
官能面は控えめながら独特なドラマ性が滲むデビュー作
1994年から2000年の間にフランス書院文庫では18もの単独長編を上梓した作者のデビュー作。タイトルから1人ヒロインかと思うが終盤でもう1人出てくる。そして、この2人目の登場が思わぬ行方を導くドラマ性がある。当時の感覚だとそれほどでもないが、今から見れば少し珍しいくらいのバイオ...
1994年から2000年の間にフランス書院文庫では18もの単独長編を上梓した作者のデビュー作。タイトルから1人ヒロインかと思うが終盤でもう1人出てくる。そして、この2人目の登場が思わぬ行方を導くドラマ性がある。当時の感覚だとそれほどでもないが、今から見れば少し珍しいくらいのバイオレンスなエッセンスを盛り込みつつ、伏線か?と思わせる(実際は違う)細かな状況描写を挟みながら人物のやや曖昧な感情を綴っていく、ある種の文学性を感じさせるような作者らしさは本作から既に滲み出ている。 年齢不詳ながら25歳前後と思われる【梓】は性欲が旺盛。結婚前には豊富な男性経験があって、その割にはちゃっかり堅物の公務員を射止めるしたたかさもあって、だからこそ表向きは家庭に収まっているけれども淡白な夫では満たされない毎日を悶々と過ごしているヒロインである。 そんな毎日だからか若干の妄想癖もあって、パート先のコンビニで立ち読みしていた20代後半くらいの男を妄想含みで誘惑するのが物語の始まりとなる。そして、その男には予想外にダークな背景があって、予想外にめくるめく未知の世界に誘われて、気がつけば主従が逆転するように現実逃避な関係となっていく。 ただ、男の闇にも関わる理由のために前半は寸止め的な焦らしが続くので官能面ではどうしても物足りなくなり、むしろ終盤でよく3Pまで辿り着けたなと感じるほど。元より向き合う現実と逃避する現実の狭間にハマり込んだ心情に寄りつつ、それでも抗えない感情を描くようなスタイルなので、直接的な官能描写がそもそも後退しているのは致し方ないところか。 しかしながら、留まることを知らない欲望が梓の行動を二転三転させた果てに迎えた結末が巡り巡って現実性を帯びたところは思考の跡も伺え、官能的な小説らしいという意味では悪くなかったと思う。
DSK