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花束を持つ女 現代随筆選書144
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本随筆家協会/ |
発売年月日 | 1994/04/18 |
JAN | 9784889331707 |
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花束を持つ女
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
実家で本を読んでいたら,祖父がわたしに貸してくれた本。 著者の及川貞四郎は,岩手県東磐井郡松川村(現在の一関市東山町松川)出身であり,岩手県で学校の校長などを務めた方であり,身近な人が著者だからわたしに読んでみろ,と差し出したものだと思う。 そのため,内容についてはあまり気体してはいなかった。 (読み終えてから聴いたことだが,及川先生は祖父の同級生だそうだ。) この本は,すべて短編集で綴られていた。 おそらく,これは及川先生の記録,体験談,エッセイだと思われる。短編集の各々の終わりには「岩手日報所載」などを明記してあるため,どこかで載せたコラムがそのまままとめて本にしてあるのだろう。 本文には, 戦争のため大連に渡っていた事,戦争中に亡くなった戦友,ソ連の捕虜になったこと,日本へ戻ってきて教師になったこと,などが書かれていた。 若水送りについても書かれていた。及川先生随筆『環境破壊がいくら進んだといっても,私が住んでいる岩手県などは,さしたる大工場や大都市があるわけじゃないし,環境庁が推す名水の所在地はいくらでもあるだろうと,私は勝手に思っていたものだが,あにはからんや,選ばれたのは広い県内でただ一ヶ所,県北の岩泉という町にある,龍泉洞というところの湧き水だけであった。』 このあと,及川先生は岩井清水が選ばれなかったことを昔の思い出とともに寂しく思っている様子が描かれている。地元出身の人はわかるだろうが,あの若水送りの水を汲むところのことだ。 宮澤賢治のことについても書かれていた,昭和6年2月,36歳で東北砕石工場の技師として松川村へやってみたころの話。及川先生は当時はまだ小学4年生だったらしい。同時の昭和6年は酷い冷夏であり,東北地方の大冷害となり,全国へ同情を集め,救援物資を求める事態へとなった。宮澤賢治はその同じ年に村にいた。『雨ニモマケズ,風ニモマケズ・・・サムサノノ夏ハ,オロオロアルキ』とは,そのときの百姓の姿ではなかったのではなかろうか,と及川先生は書いている。 内容としては,時系列がばらばらであっりはしたが(おそらく,掲載順なのだろう),先のように身近なことが話題にあがったりしていたので,そうそう飽きはしなかった。
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