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仮面の祝祭3分の2 創元推理文庫現代日本推理小説叢書
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仮面の祝祭3分の2 創元推理文庫現代日本推理小説叢書

笠原卓(著者)

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仮面の祝祭3分の2 創元推理文庫現代日本推理小説叢書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/
発売年月日 1994/03/25
JAN 9784488405021

仮面の祝祭3分の2

¥220

商品レビュー

3.3

4件のお客様レビュー

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2022/02/19

初めて読む作家さん。冊数は少なく、少し手に入りにくい。 まず、2人分のアリバイを3人で分ける、という発想が面白い。ただ、そこが目立ちはするものの、本書のポイントは実際はそこではない。 アリバイトリック自体は大掛かりなトリックがあるわけでもなく、正直やや物足りなくすら感じる。ただ...

初めて読む作家さん。冊数は少なく、少し手に入りにくい。 まず、2人分のアリバイを3人で分ける、という発想が面白い。ただ、そこが目立ちはするものの、本書のポイントは実際はそこではない。 アリバイトリック自体は大掛かりなトリックがあるわけでもなく、正直やや物足りなくすら感じる。ただ、とにかくプロットが上手い。捜査が進み、退き、そして二つの事件が交差していき、被害者とのつながりが見つかったところでは刑事たちと同じように自分まで嬉しくなってしまった。 捜査の過程でも、普段は名探偵がするような謎の整理であったり、ロジカルな推理など非常にしっかり推理をしている印象。 解説にある通り、”伏線を随所に織り込んだ、解決へ至る論理的な経路と、それが醸し出すサスペンスが笠原作品の眼目であり、それはまた、謎と論理の本格推理小説の本来の楽しさにほかならない” すごく丁寧な、端正な本格。非常に完成度が高く、満足度も高かった。

Posted by ブクログ

2020/04/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

学生の時に読んだ『詐欺師の饗宴』の時にも感じたのだが、笠原作品の特徴は印象は地味ながらも忘れられない味わいがあり、なんだか人に紹介したくなる魅力を備えている。 本作も内容はやはり地味である。しかし、よく練られたトリック・プロット・ロジックが非常に人を飽きさせない。 題名にも梗概にもあるように本書の目玉は冒頭の3人のサンタクロースの内、1人が殺人を行っていることが明白にも拘らず、それが3人の内、誰かわからない、「2/3アリバイ」論にある。 こういう地味ながらも無視できない魅力的な設定を軸に更に第2の殺人が、しかも同様のシチュエーションで起こる。しかしこれこそが作者の仕掛けたレッド・ヘリングで、一見立証不可能に見えた犯罪が最後見事に真相へと結実するロジックの妙は実に味わい深い。 殺人の動機は非常に細い線ではあったのだが、大人になった今、十分説得力のあるものだと感心した。 意外だったのはトリックが所謂「糸と針金のトリック」と称される物理的・機械的なトリックであった事。しかもそれが結構奇抜であり―島田荘司ほどではない―、やや不協和音を奏でているかなと思うー女子大生が思いつくような方法という観点から観ればどうも不自然な感じがする。 惜しむらくは笠原作品が本作と『詐欺師の饗宴』以外に『詐欺師の紋章』しか上梓されていなくしかも『~の紋章』が未だに文庫化されていない事。 新作も含め復活を望む。

Posted by ブクログ

2016/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 笠原卓というマイナーな作家のミステリ。鮎川哲也と13の謎の7つめの作品として刊行されている。内容は,フォークソング歌手の緒方信大と,俳優の久坂征二郎という二人の人物の殺人事件をベースとし,ミッシングリングや,アリバイ崩しを主たる謎解きとした本格ミステリである。いわゆる「名探偵」が出てくるような作品ではなく,緒方の殺人事件は神奈川県警が,久坂の殺人事件は警視庁が捜査を行う。警察の捜査を丹念に描写しているので,どうしても地味で退屈な描写が多くなっているが,その分,妙なリアリティがある作品となっている。  捜査方法などは地味だが,用意された謎にはあまりリアリティがなく,魅力的な謎になっている。3人の女子大生が,サンタクロースに扮し,濃い化粧をして,一見,3人のうちの誰かを分からなくした上で,アリバイ工作をし,3分の2のアリバイを手に入れるといいう謎がメイン。ここだけ見れば,「金田一少年の事件簿」なんかで取り上げられてもおかしくないくらい,リアリティがない,トリックのためのトリックである。  この3人のアリバイ工作は,真犯人である松川美和のアリバイ工作を手助けするためのものであり,3人の女子大生と松方美和を繋ぐミッシングリングと,その解明のプロセス,二人の殺害した松方美和の動機とその解明のプロセスは,結構読み応えがあった。  いずれも,被害者が宣伝をした企業による被害の復讐というものだが,この理由で殺人をするか,という部分は疑問がないではないが,意外性は十分。そして,そもそも松方美和が真犯人であるフーダニットの部分も意外性はあった。松方が,スナックカリオカのアルバイトという形で,冒頭に登場していたが完全なモブキャラ扱い。しかし,久坂のメイドとして働いていた川津珠実と松方美和が同一人物だったということが,アナグラムから分かり,一気に捜査が進む部分は,なかなか面白い趣向だった。  問題は,これらの面白くなりそうなプロットが生かせていない描写にある。警察の捜査として淡々と描かれており,まさに捜査記録のような感じ。小説として,意外性を感じさせる書き方ができていれば,傑作になりえたかも。そういった意味では惜しい作品でもある。  印象としては,面白くなりそうな要素はあるが,退屈な作品。評価としては★2か。

Posted by ブクログ

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