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ハッテラス・ブルー 創元ノヴェルズ
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ハッテラス・ブルー 創元ノヴェルズ

デイヴィッド・ポイヤー(著者), 厚木淳(訳者)

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ハッテラス・ブルー 創元ノヴェルズ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/
発売年月日 1994/03/25
JAN 9784488801007

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商品レビュー

3.5

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2019/04/25

少年期、スティーヴンソン「宝島」の世界に魅せられたように、男にとって〝宝捜し〟は幾つになっても胸躍るテーマだ。当然、冒険小説作家にとっても一度は挑戦したい題材に違いなく、多様なアイデアを駆使した〝大人のための「宝島」〟が、今も生み出され続けている。1989年発表の本作も同様で、娯...

少年期、スティーヴンソン「宝島」の世界に魅せられたように、男にとって〝宝捜し〟は幾つになっても胸躍るテーマだ。当然、冒険小説作家にとっても一度は挑戦したい題材に違いなく、多様なアイデアを駆使した〝大人のための「宝島」〟が、今も生み出され続けている。1989年発表の本作も同様で、娯楽的要素を的確に盛り込んだ瑞々しい佳作で、読後感も爽やかだ。 舞台は、米国ノースカロライナ州のハッテラス岬。座礁が多発することで知られ、「大西洋の墓場」とも呼ばれている。或る日、サルベージ業を営むティラー・ギャラウェーのもとに、キーズと名乗る男が訪ねてくる。依頼してきた内容は、ドイツ降伏から数日後、哨戒中の米国駆逐艦によって撃沈されたUボートの探索。岬沖に沈んだ潜水艦には、どうやら大量の金塊が眠っているらしい。先日、その湾岸の砂州では、ドイツ人らしき三体の人骨が四半世紀を経て発見されていた。キーズは繋がりを否定するが、明らかに素性を隠していた。ギャラウェーはきな臭いものを感じつつも、一攫千金を狙い受託。だが、宝のありかを探るうちに、一連の過去を知る関係者が殺され、正体不明の組織が挑発してくる。 実際にスポーツダイバー/船乗りでもあるポイヤーは、その経験を作中で生かしており、サルベージや潜水のディティールはリアリティに富む。第二次大戦の秘史を主軸とするプロットは、終盤に驚天の真相を用意しているが、伏線をくどいほどに張っているので、逆に微笑ましい。敗戦を覚悟したナチス・ドイツは、戦後にゲリラ戦を展開する「人狼」、党の高官を国外に脱出させる「オデッサ」などの作戦を準備していたとされ、多くのスリラー作家が取り上げている。本作は、その第三となる作戦があったとするもので、終盤で登場する〝大物〟の創造では、ポイヤーも「してやったり」の表情だろう。 主人公のギャラウェーは、麻薬密輸に関わり保護観察中の身であり、サルベージ船も借り物だった。「海の男」としては一流だが、世渡りが下手で、うまい話に目がないアウトロー。これに宝捜しを加えた設定では、ウィルバー・スミスの「虎の眼」という名作があるのだが、緻密な構成や人物造形の深さ、血湧き肉躍る興奮度の高さでいえば、「虎…」が完全なるA級なら、「ハッテラス…」はB級という評価に甘んじるだろう。けれども、物語の面白さでは決して引けを取るものではなく、ストレートな冒険行を活写する手腕は、埋没してしまっているのが惜しいほどだ。 エンターテインメント小説の極意は、まず読者を楽しませたいという作者の心意気が全ての出発点となる創作であり、自ずと作品に生命が宿り、登場人物らは生き生きと動き出していく。 少年たちが夢見た宝島。その世界観は、無骨ながらも、ポイヤーの作品にも受け継がれている。 蛇足だが、同じくスリラー作家のジョー・ポイヤーと混同しがちなのだが、全くの別人であることを明記しておきたい。

Posted by ブクログ

2016/11/22

懐疑的ながらもとりあえず読み続けることにしたポイヤー。2作目は極太の海洋小説。サルベージ業を営む主人公のところに、第二次大戦中に撃沈させられたUボートの回収の依頼が来るが、もちろんそれはただの依頼ではなく・・・というのがあらすじだ。 今では、といっても少し前になるが、映画、ドラ...

懐疑的ながらもとりあえず読み続けることにしたポイヤー。2作目は極太の海洋小説。サルベージ業を営む主人公のところに、第二次大戦中に撃沈させられたUボートの回収の依頼が来るが、もちろんそれはただの依頼ではなく・・・というのがあらすじだ。 今では、といっても少し前になるが、映画、ドラマ化もされた『海猿』やマンガ『我が名は海師』や『トッキュー!』など、海で働く職業について描かれた作品も多くなったが、当時、その手の類いのマンガは皆無に等しかった。いやこれは視野の狭い私が知らなかっただけかもしれないが。ということで本書の主人公が営むサルベージ業というのも、最初はなんだか解らなかった。逆に本書でサルベージ業なる仕事が海での救助や引揚げ業であることを知った。とにかく見開き2ページを文字で埋め尽くされたこの作品。未知の世界の専門用語がどんどん出てきて理解するのに苦労した覚えがある。 しかしそれでもなかなか楽しめたように思う。1作目がアレだっただけに、これは案外読めた。案の定、引揚げるUボートには第二次大戦というどさくさに紛れたある物が積まれてあり、主人公はその争いに巻き込まれていく。第一、引揚げるものが当時ナチスのUボートだというから非常に安直な設定であるし、こういう系統の作品ではもはや王道というべき展開。 今では記憶も希薄となっているが、この本でスキューバ・ダイビングに関する知識や前述のサルベージ業に関する知識を浅いながらも知ったように思う。そういう意味では得る物はあったのではないかと思う。 こういうのを冒険小説って云うのだろうなと思いつつ、もしかしたらこういうのが好まれる作品なんだろうかと世間の書評が気になったが、さほど話題にはならなかった。しかし、案外面白く読めたので、この後も彼の作品を買い続けることにしたのだった。

Posted by ブクログ