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宇垣一成 政軍関係の確執 中公新書1133
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1993/05/25 |
JAN | 9784121011336 |
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宇垣一成
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宇垣一成
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商品レビュー
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1993年刊行。著者は元憲政記念館企画調査主幹。 表題からすれば宇垣一成の人物評伝のようだが、むしろ、宇垣が政治的な中央軸の一を構成することとなった三つの問題に注力して叙述している。 具体的には、 ① 1931年発覚の三月事件(宇垣首班を目指すクーデター未遂事件) ② 1936年の宇垣への大命降下と同内閣が陸軍の反対で流産した件 ③ 1938年以降、広田弘毅外相の後を受けた宇垣外務大臣時期の施策 を中心に解説する。
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軍閥の歴史を紐解けば、必ず派閥の巨魁として登場する宇垣一成。 本書を読んでの感想として、当時も損な立ち位置だったが現在の評価にいても甚だ不利な役回りを演じているということだった。 当時いかに宮中や陸軍の下の世代に疎んじられ大命拝辞に至ったかは本書で描くところである。 また戦後の...
軍閥の歴史を紐解けば、必ず派閥の巨魁として登場する宇垣一成。 本書を読んでの感想として、当時も損な立ち位置だったが現在の評価にいても甚だ不利な役回りを演じているということだった。 当時いかに宮中や陸軍の下の世代に疎んじられ大命拝辞に至ったかは本書で描くところである。 また戦後の様々な立場から見るとき、一夕会や統制派に同情する立場から見れば、宇垣派は旧長州派の流れを組む排斥すべき存在であった。 またそれに皇道派を含む立場から見れば、宇垣軍縮により軍の威信を低下させた元凶として見られる。 政党政治擁護の立場から見れば、田中義一に続く軍部出身の野心家とみなされ、その証拠として三月事件を持ち出される。 どうも不利な材料しか揃わない。 しかし本書では対米戦回避のために吉田茂に担がれた宇垣像や、戦後になって若槻や米内や岡田と同列⁽?⁾に「平和愛好者」とキーナン検事に語られた件など、あまり聞かない宇垣の一面を扱っている。 宇垣を擁護する立場から歴史を見るだけで、昭和史が違った容貌を表すことを知る。
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歴史上の「評価定まらぬ」人物というのは多々いるが、本書で取り上げられた「宇垣一成」もそうではないか。 1937年(昭和12年)に組閣の大命を受けながら、軍主流派の反対により辞退に追い込まれた「宇垣一成」。 彼が総理だったならば、その後の歴史は変わっていたとの説もあるが、本書...
歴史上の「評価定まらぬ」人物というのは多々いるが、本書で取り上げられた「宇垣一成」もそうではないか。 1937年(昭和12年)に組閣の大命を受けながら、軍主流派の反対により辞退に追い込まれた「宇垣一成」。 彼が総理だったならば、その後の歴史は変わっていたとの説もあるが、本書を読むと、とてもそうは思えないが、当時の軍内部の勢力争いの実態とともに、戦前の日本の統治システムの欠陥がよくわかるものとなっていると思った。 しかし、「軍閥」という言葉があるが、当時の日本においてなぜ「軍部」がこのような大きな力を持ってしまったのか、疑問にも思ったが、それを知るにはこれ以前の歴史を読まなければならないのだろう。 本書は、「宇垣一成」という人物をとおして、当時の日本の権力構造を知ることができる本ではあるが、「軍部」「宮中」「元老」と現在では理解しにくい統治構造と、力のない「政党や政治家」が絡みあう政治状況は、実感が持ちにくくわかりにくい。 この時代を理解するには、もう一段読み解く必要があるようにも思えた。 本書では、当時の日本の国際関係についての言及はあまりないが、当時の日本が国家政策を誤ったことは間違いがない。 その理由とプロセスが本書で扱っている日本の統治システムにもあることを考えると、なおこの時代を知りたくなるが、それは本書の範囲外であると思った。 本書は、この時代のごく一面を知ることができる本と評価すべきか、一面しか知ることができない本と評価すべきか、どちらだろうか。 読み終わって感嘆を感じないということは、本書は事実の発掘に徹しており、偏った判断を下していないといういうことなのかもしれないが、読後にやや不満が残る思いを持った。
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