天の調べ

芹沢光治良【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 1993/07/10
• JAN: 9784103113355

商品レビュー

2022/05/22

「神シリーズ」の最終巻です。

この本の中には　言葉について、こう書かれています。
「・・・　神は人類だけに言葉を与えたが、その主たる目的は
各自、己のまことを、夫婦間や同胞同士でも、相手に伝えあって、
互いに愛を深めあい、自己をみがくことに、あるのだよ・・・
それなのに、われわれ周囲の人間には、言葉の大切なことなど、気がつかずに、
言葉で他人を傷つけ、自分も苦しんでいる者ばかりで、残念だ・・・・」
さすが　　言葉を大切に使っていた　著者の言葉は重いです。
本当に　せっかくある　言語を　大切に使いたいものです。

そして
「親神が、人間を創造した時、一人一人わが子として、わけみたまを、授けられた。それによって、人間は、神の子として、皆兄弟であるから、仲がよかった。長い長い歴史の間、人間は、平和で幸福であった。ただ、人間は多くの才能の芽を授かって、幸いだったが、長い歴史の間に、その才能の芽から、私利、私欲という花が、実をむすんだ。そのことから、人間の不幸がはじまった・・・」

更に
「省みて、現在の人類のあり方、人間の生き方、社会生活から個人生活まで、親神がご覧になって、どこかに、お喜びできることを、発見できるか、われわれは、本心反省しなければならない。
・・・　人間一人一人に、知慧の書を授けて、人間の成人することに、大きな期待をした。
将来、その知慧の芽から、美しい文化、文明の花が咲き、みごとな実を結んだが、長い間には、その美しい花々のかげに、私利私欲という毒虫がついてしまった。
・・・・・」

本当にそうですね。
この「神シリーズ」は　フィクションなのか　ノンフィクションなのか
時々読んでいて　混乱する事もありましたが、
こういう　人間の真髄についての事は　
とてもわかりやすく　書かれていました。

現代社会に生きる私達は
本当に　言葉を大切に使っているか？
自分の身体を　大切に扱っているか？
そして、なにより親神の願い。
私達が陽気暮らしをしているか？
改めて考えさせられた　「神シリーズ」でした。

これからも　時々　（忘れた頃に）　読み直してみたいと思いました。
（以前読んだのは　20年程前だったので　次は・・・？）