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続ビゴー日本素描集 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1992/11/18 |
JAN | 9784003355626 |
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続ビゴー日本素描集
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
近代に日本を描いた画…
近代に日本を描いた画家・ビゴーの興味深い画集です。
文庫OFF
#35奈良県立図書情報館ビブリオバトル「サムライ」で紹介された本です。 2部構成で1部は通常回。 2013.11.16 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-1055.html?sp
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わたしの懐には、30年来温め続け腐りかけ遂には一部石化した「NHK大河ドラマシノプス案 兆民伝」なる文章がある。即ち1871年(明治4年)フランス留学中の中江兆民は、その頃下町でパリ・コミューン革命崩れの青年・ビゴーに出会う。また、官製留学中の美形の秀才井上毅とも親くし、この3人...
わたしの懐には、30年来温め続け腐りかけ遂には一部石化した「NHK大河ドラマシノプス案 兆民伝」なる文章がある。即ち1871年(明治4年)フランス留学中の中江兆民は、その頃下町でパリ・コミューン革命崩れの青年・ビゴーに出会う。また、官製留学中の美形の秀才井上毅とも親くし、この3人の運命と共に明治はじめの日本の大激動を描こうというものである。 閑話休題(それはともかく)、 明治15年に来日したフランス人画家ビゴーは、2年の滞在予定を18年に延ばし、多くの雑誌や画集を出版した。日本近代の漫画はビゴーと共に始まった、と私は評価している。けれども、ビゴー研究の第一人者はなんと言っても故・清水勲であり、ビゴーの真価は政治や社会批評だけでなく、写真の未発達な時代に生き生きとした日本人を描いたことにあったと喝破する。 この文庫本は、ビゴーの仕事をバランス良く紹介している。発行後直ぐに買ったのだけど、如何せん30年近く積読してしまった。お薦めです。何がオススメって、この前読んだ「イザベラ・バードの旅」の漫画バージョン?!あの著書の真骨頂は田舎の日本人の民俗が記録されていたことにあったのだけど、ビゴーさんも時々郊外のあらゆる階層の人々をスケッチしているし、都会層の「庶民」も描いているのである。 もちろん、あらゆる外国人が度肝を抜いた混浴風呂システムもスケッチしているが、美しく豊満な女性の背中を流す「三助」という職業を描いた(73p)絵には、男性優位な社会の中で立場が一転し、しかも貧相な男の真面目な仕事ぶりの中に隠しようのない「欲望」が垣間見れるという、注目に値するスケッチが載っている。 「大みそか 債権者と債務者」(明治23年)(86p)サムライ崩れの男が債務の繰延を頼んでいる。妻と子供は逃げる場のないひと部屋なので、後ろを向いて袖で顔を覆っている。妻は髷を結い、子供は大五郎カットである。 被り物の男たち10人を描いている。(明治25年)(117-119p)改札係は流石に帽子だが、行商人、米俵運搬人、火消しは手拭いでザンギリになった髪の毛を包んでいる。旧スタイルの農民は未だに丁髷(ちょんまげ)だが、その息子は10分刈りぐらいのざん切り、シルクハットにフロックコートの式部官は宮内省勤めらしい、その隣の改進党代議士はトビー帽をかぶる。記者は山高帽をかぶっている。 「暑さに気遣う人に推薦するシンプルで軽い夏の下着」(明治31年)(31p)という絵には、洋傘を手にし、ワイシャツ・靴下・麦わら帽といった洋装尽くしの青年が、あまりの暑さにズボンを脱いでふんどし一丁で海沿いの道を歩いて平気な様を描いている。(←イザベラもふんどし一丁の男たちが闊歩していたと書いていた) 「道々ちょっとおしゃべりを」(明治31年)(45p)は、ちょっと衝撃的である。和装で帽子もかぶっているので、都会層の男であるが、立ち話が疲れたのか、便所座りで道の真ん中で話し始めているのである。喫茶店も公園もない明治には、こういう立ち話姿が至る所にあったのかもしれない。つい最近の昭和ではこの座り姿は深夜のコンビニ前で青年たちが山ほどやっていた。今、目につかなくなったのは、流石に和風便所がなくなり、この姿勢でさえ疲れる様に日本人がなったからだと思える。 歴史教科書によく出てくる時局風刺雑誌「トバエ」(明治20-22年)は、日清戦争を風刺した有名な絵以外にも興味深いものがたくさんある。有名政治家たちの似顔絵は、なかなかリアリズム。これら地の文は、大いに中江兆民のプロデュースで作られたらしい。 30年前に想像もしていなかった暑い夏の夜(2023年8月23日)読了。
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