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騙し屋 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1992/12/25 |
JAN | 9784042537137 |
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時代が変わり、求められるものも変わっていく。 老兵は死なず、単に消え去るのみ」 Old soldiers never die, they simply fade away. 兵士ではなくスパイだが、その言葉を実感させるような作品。モレンツのラストは酷く物悲しいものだったが、彼の人生を終わらせたのは、マグレディの友に向けた優しさだったのかもしれない。
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ベルリンの壁が崩れ、冷戦が終焉を迎えた時に「これでスパイ小説家は飯の食い上げだな」といった皮肉が囁かれていたのを思い出す。現代エスピオナージュは冷戦構造という舞台があって成立していたからだ。本作「騙し屋」四部作の試みは、"回想"を用いて、あるスパイの過去の活躍...
ベルリンの壁が崩れ、冷戦が終焉を迎えた時に「これでスパイ小説家は飯の食い上げだな」といった皮肉が囁かれていたのを思い出す。現代エスピオナージュは冷戦構造という舞台があって成立していたからだ。本作「騙し屋」四部作の試みは、"回想"を用いて、あるスパイの過去の活躍を物語にする手法である。英国SISの古参スパイ・マクレディは、東西融和の国際状況を受けて人員整理の対象になる。彼は望まぬ配置転換を拒否し、処遇が妥当かどうかの聴聞会の開廷を希望する。その場で彼の過去の功績が、四つのケースを事例に回想式に語られることになる。 その第一部は1985年が舞台。マクレディが長年「運営」してきた内通者・ソ連の将官パンクラティンが軍の配置図を入手し、東ドイツを視察する際に手渡したいと連絡してくる。マクレディは面が割れていて東独には入国できない。そこで"ポルターガイスト"なる男を代わりに入国させるが・・・。英国・ソ連・東西両ドイツがそれぞれの思惑でしのぎを削る熾烈な諜報戦。マクレディのしたたかさが冴えわたる。
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「フレデリック・フォーサイス」の『騙し屋』を読みました。 「フレデリック・フォーサイス」の作品を読むのは二十年数年振りだなぁ。 当時、夢中になって『戦争の犬たち』や『ジャッカルの日』等を読んだことを思い出して、久しぶりに「フレデリック・フォーサイス」作品読んでみる気になりました...
「フレデリック・フォーサイス」の『騙し屋』を読みました。 「フレデリック・フォーサイス」の作品を読むのは二十年数年振りだなぁ。 当時、夢中になって『戦争の犬たち』や『ジャッカルの日』等を読んだことを思い出して、久しぶりに「フレデリック・フォーサイス」作品読んでみる気になりました。 -----story------------- 騙し屋とよばれる「サム・マクレディ」は、イギリス秘密情報機関SISのベテラン・エージェント。 切れ者で世界各地で敵を欺き、多くの成果をあげてきた。 しかし、冷戦は終結し、共産主義は崩壊した。 世界情勢は急転したのだ。 それは、スパイたちに過酷な運命を強いることになった。 「マクレディ」は引退を勧告された。 SISの人員整理構想のスケープゴートにされたのだ。 マクレディは現役に留まるため、聴聞会の開催を要請した…。 世界の「フレデリック・フォーサイス」が贈る、スパイたちへの鎮魂歌。 “最後のスパイ小説”四部作第一弾。 ----------------------- 西側に情報を流していたソ連軍の将官「パンクラティン」がソ連軍の配置図を入手、その受取りのため「マクレディ」は旧知の工作員「ブルーノ・モレンツ(暗号名:ポルターガイスト)」を東ドイツに入国させるが、「モレンツ」は重大な個人的な悩みを抱えており、なんと潜入の直前に殺人を犯してしまい、精神状態が不安定なまま東ドイツへ。 「マクレディ」、CIA、西ドイツ・東ドイツの警察・情報機関、ソ連KGBの美貌の女少佐「リュドミラ・ワナフスカヤ」等が東ドイツ領内に入った「モレンツ」を追って激しい諜報合戦を繰り広げる。 「モレンツ」はどうなるのか? 「パンクラティン」の重要情報は西側に渡るのか?? 登場人物が多く、関連する組織(SIS、MI6、CIA、KGB、BND、AGG等々)も多いので、最初は人物や組織の相関がわかり難かったのですが、読み進むにつれて理解も進み、意外な展開や「マクレディ」の活躍をワクワクしながら読むことができました。 スパイの活動も格好イイ活躍ばかりではなく、悲哀や悩みも巧く描かれていて、さすが「フレデリック・フォーサイス」って感じでしたね。 この「マクレディ」モノは四部作でシリーズ化されているらしいので、残りの三篇も読みたいです。
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