いのちの輝き エイズとともに生きる

石田吉明【著】

• 販売会社／発売会社: 岩波書店/
• 発売年月日: 1993/10/27
• JAN: 9784000001403

商品レビュー

2011/01/22

偏見が強いほどエイズは蔓延する。
エイズ感染者への偏見が強ければ強いほど、エイズは潜伏する。正しい知識がないと、さらに二次感染を広げ、患者はもっと増えていく。感染を防ごうと思うなら、医療、それと経済的支援も含めた行政の受け入れ体勢をしっかりさせる必要がある。
感染予防や社会防衛だけではなく、正しい知識を一般常識にする事が必要。偏見は邪魔になる。

共生　「病者が病者でいられる社会」　病気を意識しないで済む社会　もし私の属している社会が、ハンディキャップを持つ人が常にハンディキャップを意識しなければならない社会なら、社会の成熟度が足りないということだ。それは未熟な社会なのだ。

最後にそのツケをまとめて支払ってやりたい。

人の世は何でも差別の対象になる。差別の題材は何でもいいのだと思う。権力や力が大きいほど罪も深く、手強い。

自分を卑下してはならない。

自分の主張を人々に理解してもらおうと思ったら、まず開き直って、胸を張って訴えよう。逃げも隠れもしてはいけない。そうしてはじめて、相手の理解も深まってくる。

オランダに嫁いだヴィクトリア女王の娘は、ヘモフィリアの因子キャリアだった。ヘモフィリアとは血友病のこと。この結婚は、オランダがヨーロッパの中でも際だって福祉の進んだ国になるきっかけとなった。

HIVはマスコミによる歪んだ情報と偏見が先に伝わったために、患者達は今でも苦しい立場に追い込まれている。

ヒト免疫不全ウイルス　HIVウイルス
感染力が非常に弱い　感染経路は血液感染、生殖感染（精液、ちつ分泌液）、母子感染の三つだけ。血液感染は、注意すれば防げる。生殖感染はコンドームを使ったセーフ・セックスで防げる。母子感染は、必ずしも感染するわけではない。

HIVウイルスに感染すると、半年から１０年のあいだ発病しない潜伏期間がある。潜伏期間が長いのもHIVの特徴の一つ。この段階で治療を開始すれば、普通に生活できる、らしい。その後、エイズ関連症候群（ARC）が起こる。これは発症前の前駆期で、主な症状は強い疲労感、発熱、寝汗、下痢、体重の急激な減少など。そしてエイズ発症患者として認定される。どの段階でも治療することは可能。さまざまな薬や治療法が開発されて、エイズはもはや死の病気ではない。ガンのほうがやばそう。でも、私の知識も結構怪しいな。最近の本で勉強しなおさなきゃ。

2010/05/25

輸入血液製剤によってHIVに感染させられた著者が、自分の闘病の記録を発表したものである。一読して著者の不撓不屈の精神力、まさにその「いのちの輝き」には頭の下がる思いがする。血友病という大変な病と闘い、とうとうそれに打ち勝つことができたと思ったとき、実はその治療の手段によって、よいｒ一層重い病にかからされたのだ。「河合隼雄の人生読本より」