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天文対話(上) 岩波文庫
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天文対話(上) 岩波文庫

ガリレオガリレイ【著】, 青木靖三【訳】

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天文対話(上) 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 1993/09/16
JAN 9784003390610

天文対話(上)

¥715

商品レビュー

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2020/02/24

地動説を支持して宗教裁判にかけられたことで有名なガリレオの著作。 天文学の入門書がわりにでもと思って読めば、アテが外れること間違いなし。 天動説とそれを支持する者達が根拠に用いたアリストテレス自然学に対して、地動説とそれを補正して補強するガリレオの運動論が対置されているが、 ア...

地動説を支持して宗教裁判にかけられたことで有名なガリレオの著作。 天文学の入門書がわりにでもと思って読めば、アテが外れること間違いなし。 天動説とそれを支持する者達が根拠に用いたアリストテレス自然学に対して、地動説とそれを補正して補強するガリレオの運動論が対置されているが、 アリストテレスの自然学について多少の予備知識がなければ読み進めにくいことが、まずハードルとして立ちはだかる。 それ以上に現代の読者を阻む理由は、本書が科学書として老朽化どころか化石化していることだ。 ガリレオの運動論が高校で学ぶようなニュートン以降の力学とは表現も内容も異なり過ぎている。 それでもかまわないという物好きな方以外にはオススメできない(アリストテレス『天界について』を読んだ勢いで手に取ったこともあり、昔の自然哲学書としては個人的には興味深かったが) 《概要》 全4日間の対話篇の形式。上巻には2日目まで収録。 1日目では天動説を支持するアリストテレス自然学を検討する。生成消滅をせず円運動を行う天界と、大地の中心への又は中心からの直線運動を行う基本要素からなる生成消滅ある地上界を区分することの難点が挙げられる。 2日目では、大地の日周運動を否定する論証を検討、それらを却下することで地動説が(正しいとまでは言わないが)間違っているとは言えないことを示す。 この時、1番高い山より下にある空気に包まれた地上の事物は、地球と共に動くから地球の運動の影響を受けず認識できないことが主張される。 また、地上への自由落下運動について、地球の円運動を共有する我々には加速する直線運動に見えるが、地球の円運動を共有しない視点からは等速の円運動であるとする。そして、世界は等速の円運動で構成されており、直線運動は見かけ上でしか存在しないという仮説に触れている。

Posted by ブクログ

2014/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正式名称は「プトレマイオスとコペルニクスとの二大世界体系についての対話」で1632年に近世イタリア語で書かれた本である。内容は四日間の討論で、ヴェネチアの資産家サグレドの家に、フィレンツェ人サルヴィアチ(コペルニクス説の信奉者)、シンプリチオ(プトレマイオス及びアリストテレスの信奉者)がやってきて、三人が太陽中心説と地球中心説について対話したものである。全体として、細かな問題をいちいち詰めていくし、脱線も多い。まだ万有引力もメートル法もなかった時代なので、話がまわりくどいし、シンプリチオ(まぬけの意味がある)が主張する地球中心説(天動説)がまちがっているのはもちろんなのだが、それを批判するサルヴィアチ(ガリレイの立場)も加速度を円運動で説明しようとしたり、簡単な計算間違いもあり(ガリレイは暦や航海に必要な恒星表を作る面倒くさい計算は苦手、幾何学で感覚的に説明するのも好むようにみえる)、要するに誤りを誤りで正していて、科学史の文献にはありがちだが、たいへん読みにくい本である。それでもサルヴィアチとシンプリチオが「慣性」(この言葉はまだない)を発見していく所は非常に興味深くよんだ。この本を読む前にアリストテレスの『天体論』と『生成消滅論』は読んでいないと歯が立たないと思う。上巻には第一日目の対話と第二日目の対話が収められている。第一日目には距離の概念、三次元の概念、斜面による球体の落下などが語られている。アリストテレスによれば、生成と消滅は反対物によって起こるのだが、この反対物は火や空気は上昇し、土や水は下降するという反対の運動をする。ところが、天体のしている円運動には反対の運動がないので、天体は月下界の物質とはちがい生成消滅をしない永遠のものだということになる。これを批判して、サルヴィアチは天界にも反対物があるという。それは濃淡の対立である。要するに星は宇宙の物質の濃いものであり、星のない空間は淡いものであるとする。要するに有無があるんだから天界にだって対立があるとするんである。それから、1572年と1604年に観測された新星爆発が、天界の永遠性を否定するものだとして挙がっているが、これが本当に月下界の現象なのかで大激論になる。また、望遠鏡で観測すると月の表面は凸凹があるが、完璧な物質である天体に山や谷はないということで、これまた激論である。シンプリチオ(当時の通念)によれば、月は鏡のように滑らかで、凹凸のようにみえるのは宝石の内部にある筋や屈折面のようなものであるという。サルヴィアチは絵画の技法から鏡はその反射した場所からみれば眩しいが、それ以外の場所では暗くみえること、白い壁のような凹凸のあるものの方が全方位に光を乱反射(この言葉もない)して、むしろ明るく見えることを実験する。この他に光の放射(輝く物が大きく見える現象、提灯など)についても語っている。ガレノス(ローマの医者)の解剖学のこともでてくる(場所はパドヴァ)。第二日目は、250頁にわたる執拗な対話で、内容は主に地球の運動である。サルヴィアチは地上の人間もその感覚器官もすべて地球と同じ自転・公転の運動を分有しているから、「共有されている運動は認識できない」ということを懇々と説く。これに対して、地球が運動していれば、鳥や雲が自転について行けずに置いていかれないかとか、大砲は西に撃ったら東に撃つより遠く飛ぶのかとか、鉄砲(火縄銃)でねらいが外れないのはなぜかとか、遠心力で地上の物がはじき出されないのはなぜかとか、いろんな批判がでてくるんである。遠心力については、円と接線の関係でむりやり説明しているので、大変面倒である(まだ万有引力の理論はない)。総じて、目に見えないものを理解させることがどんなに困難なことだったのかを知ることができる。当時考えられていた地球の半径や、月までの距離、平方根の計算方法、短い時間の計測に脈拍が使われたことなどもでてきて、この辺りはたいへん興味深い内容である(振り子の等時性も少しでてくる)。献辞には、コペルニクス説は「数学の仮説」だという教会への言い訳が書いてある。当時、数学は哲学に比べて低い学問とされており、「自然哲学においては数学的論証の細部を気にかける必要はない」という言葉もシンプリチオの口を借りてでている。サルヴィアチからは、「無限に多数ある知られるべきことに関しては、人間の理解力は、たとえ千の命題を理解しても(全知の神に比べて)無」であるが、「人間の知性はある命題を完全に理解し、それについての絶対的確実性を有する」、それは「数学的科学」であり、「幾何学と算術」であるという。「人間の知性の理解した少数のものについては、その認識の客観的確実性は神の認識に等しい」(第一日目)と述べている。

Posted by ブクログ

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