おとなのおやつ ちくま文庫

なだいなだ【著】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/
• 発売年月日: 1993/01/21
• JAN: 9784480026910

商品レビュー

2021/04/20

彼が生きているうちに講演を聞いてみたかったといつも思う。彼の語り口は、いつも誰かとの対話に開かれている。実際の臨床場面がどうであったかはわからないが、静かに耳を傾け、考え、そして確かな自分のことばで語る姿勢はずっと同じであったと思う。
ことばに対するどこまでも真摯で誠実な姿勢は、考える人間の最たる性質であると思う。難しいことを易しく書くのは非常に困難だ。難しいものは難しいのである。それを変に易しく書こうとするから、ことばが独り歩きするし、まるで口触りのいい横文字が横行する。
難しいものは難しく、それはそれで自然なことだ。一度に理解できないなら何回だって読めばいいし、考えればいい。同じ言語体系であるということは、それほど違った頭のつくりをしているわけではない。誰でもない、自分の力で理解しなければ、いつまでたっても、難しいことを易しく見せかけられたままである。
最初からフルコースでなくていい。おやつから始めて、その土地その土地の味をしればいい。大人だからといって、何も小難しいものを取り続けなくていいのだ。できるところから、目の前にある事実から始めればそれでいい。

2012/07/26

初めて なだいなださんの本を読んだ。
読み易く、おもしろかった。
なださんの本を色々読んでみたい。

p220フムフム療法 （ロジャーズ式カウンセリング）
256ある言葉を説明するのに、その言葉以上に難しい言葉を使わなくてもいいじゃないか
274精神科の場合 相手が考えていることや感じていることは、診察の補助ではなく、診察の本体である。